エドガー・アラン・ポオ 『ポオ小説全集Ⅰ』

エドガー・アラン・ポオ 著 いろんな人 訳 ポオ小説全集Ⅰ(創元推理文庫/1974年刊) を読む。
ポオ小説全集Ⅰ
アメリカ最大の文豪であり、怪奇と幻想、狂気と理性の中に美を追求したポオは、後世の文学に多大な影響を及ぼした。
巧緻精妙をきわめる〈鴉〉の詩人としては、ボードレールに始まるフランス象徴詩派に決定的な影響を与え、比類の無い短篇小説の名手として推理小説を創造し、怪奇小説・空想科学小説・ユーモア小説の分野にも幾多の傑作を残し、さらにまた透徹せる審美家、批評家として、詩論に文芸批評にすぐれた足跡を残し、その全貌は文字通り天才としか呼び得ないほど広くかつ卓越したものである。


ポオの作品をまともに読んだのは初めて。
小学生の頃に読んだ「モルグ街の殺人」「黄金虫」以来のポオ読みである。
ポオの時代に書かれた物語を読むと、ホラー・SF・ミステリというのは根っこは同じものなのだということを強く感じる。
各々の感想は追記にて。
(2012.8.11読了)

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壜のなかの手記』【MS. Found in a Bottle:1833.10】
乗ってた船が大嵐に遭い、気がつくと幽霊船に乗ってた男の手記。
訳文が硬くてとても読みにくい。
恐怖感があまり伝わってこなかった。

ベレニス』【Berenice:1835.3】
不気味だなあ。こういうのがいわゆるゴシックホラーっていうんかな。
テーマがよく分からないのだが、偏執狂な人の話なのは理解した。

モレラ』【Morella:1835.4】
奥さんと、その生まれ変わりらしき娘の二人を失う男の話。
奥さんが死の間際に「一日として、あなたの愛がそそがれた日はありませんでした」と言うのだが、これは怖いわあ。
怨みを持って死にますよって言われてるようなもんだよねえ。

ハンス・プファアルの無類の冒険』【The Unparalleled Adventure of One Hans Pfaall:1835.6】
ハンス・プファールというオランダ人のおっさんが気球で月を目指す話。
地球から月までの距離についてくどくど述べたり、空気が薄くなるのを考慮して圧縮した空気を気球に持ち込んだりと、「空想科学小説」っぽい。
おっさんが月を目指そうとした動機が、借金取りから逃げるためという消極的な理由なのが笑える。

約束ごと』【The Assignation:1835.7】
何が何だか分からなかった。
人妻と青年が同時刻頃に別々の場所で毒を飲んで心中する話。
もしかして、わけを分かろうとして読もうとするのが野暮なのであろうか。

ボンボン』【Bon-Bon:1835.8】
イマイチよく分からない内容だった。
悪魔と契約し損なった男の話なのだが、魂を売ろうとするも、拒否されるところが可笑しみなのだろうか。

』【Shadow:1835.9】
じんわりと不気味さを感じさせる話であった。

ペスト王』【King Pest:1835.9】
解説によると、何かの小説の一場面を借用したというパロディ小説であるとのことだが、それを知らなくても十分楽しめるバカバカしい話。

息の喪失』【Loss of Breath:1835.9】
何とこれはドタバタSFではないか!
呼吸がなくなり、喋ることができなくなった男の話。
手足の関節がはずれたり、耳を切り落とされたり、内臓を切り取られたりと散々な目にあう。
ドタバタした物語はいつの世も楽しい。

名士の群れ』【Lionizing:1835】
「鼻理学」という学問を修めた主人公が、もてはやされ、やがて没落する話。
寓意に満ちた話なのだろうが、どのような寓意であるのかはオレの読み込みの浅さでは理解できず。

オムレット公爵』【The Duc De L'Omelette:1836.2】
悪魔とカード勝負するフランス人公爵。
フランス貴族を揶揄する内容の話なのだろうが、よく分からない話であった。

四獣一体』【Four Beasts in One:1836.3】
旧約聖書のエピソードにあるっぽい話。
内容は面白いのかどうか判断つきかねる。

エルサレムの物語』【A Tale of Jerusalem:1836.4】
当時流行した、聖地に舞台をすえた歴史ロマンスに対するポオの嫌厭を示すパロディとのこと。
オチの効いた小話になっていて、けっこう面白かった。

メルツェルの将棋差し』【Maelzel's Chess-Player:1836.4】
1820~30年代に合衆国を巡業して話題になった「将棋差し自動人形」のカラクリを推理するレポート。
話の組み立て方などに、世界初の推理小説を発表したポオの、“らしさ”がうかがえる。
“チェス”を“将棋”と訳すのは勘弁して欲しい。

メッツェンガーシュタイン』【Metzengerstein:1836.10】
ハンガリーの貴族メッツェンガーシュタイン家にまつわる因縁話。
よく分からないのだが、戯画的な物語に仕立ててるのだと思う。

リジイア』【Ligeia:1838.9】
初婚、再婚の嫁がともに病死し、二度目の嫁が死んだとき、最初の嫁が憑依して現れる話。
主人公はつねに最初の嫁に執着しているようなので、二度目の嫁がひたすら哀れに感じる。

鐘楼の悪魔』【The Devil in the Belfry:1839.5】
まわりをぐるりとなだらかな丘に囲まれた、周囲1/4マイルほどの丸い低地にある町に起こる事件。
隔絶された町の設定とか、町並みや家の様子など、ファンタジーな雰囲気でとても良いのだが、起こる事件が全然面白くないという、ちょっと残念な話。

使いきった男』【The Man That Was Used Up:1839.8】
これは超面白かった。
“使いきった男”のアイデア自体も面白いし、語り手が“使いきった男”について人に聞こうとするも、その都度邪魔が入りなかなか真相にたどりつけない展開も楽しい。

アッシャー家の崩壊』【The Fall of the House of Usher:1839.9】
この話、アッシャーさんちの兄妹が死にましたっていうだけの、単純な話なんだけどね。
物語全体にただよう狂気な雰囲気とか、おどろおどろしい風景描写とか、作者の手際がすごいので引き込まれてしまう。

ウィリアム・ウィルソン』【William Wilson:1839.10】
ウィリアム・ウィルソンなる人物が、同姓同名の男に付きまとわれる話。
物語としては自我との対決という陳腐な(笑)内容なのだが、テーマそのものより寄宿舎での学生生活の描写など、1800年代初期の時代の雰囲気を存分に味わえるのが良い。

実業家』【The Business Man:1840.2】
成り上がりユーモア小説。
この作品も話そのものより、時代の空気を感じられるような描写が楽しめる。
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まとめ【エドガー・アラン・ポ】

エドガー・アラン・ポオ 著 いろんな人 訳 『ポオ小説全集?』(創元推理文庫/1974年刊) を読む。アメ

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筒涸屋

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2008.3.6開設

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