荒山徹 『魔風海峡(下) 血戦!高麗七忍衆』

荒山徹著 『魔風海峡(下) 血戦!高麗七忍衆』(祥伝社文庫/2004年刊) を読む。
魔風海峡(下)
真田幸村主従を待ち受けていたのは、王子・臨海君率いる高麗忍者の想像を絶する用術戦だった。霧隠才蔵、筧十蔵が倒され、さらに根津甚八にも危機が。
明からの独立を勝ち取るために欽明帝の隠し財宝を求める臨海君。彼を利用しようとし、やがて従うようになる服部半蔵。そして豊家再興を策すため財宝を希求する幸村、猿飛佐助らが剣と頭脳と忍術の限りを尽くす!


下巻では、登場する忍法が上巻よりスケールアップ!というか、とてつもなくなりすぎて若干失笑を漏らしてしまう技も。技についての文献を紹介して済ますよりも、山田風太郎みたいに化学的、生理学的な無理やり説明(笑)を駆使して、もう少し信憑性を持たせてもよかったと思う。ただ、忍法勝負をしている場面は面白くて読む速度が早くなる。
それに対し、合戦の場面はいまいちノリが悪いというか、文章がもたつく感じがして、読むのがちょっと苦痛に思うところも。
上巻でちらっと紹介されていた、平安朝の頃の欽明党の王子が伊予親王(桓武帝の王子)で、新羅・唐・日本を股にかけた海商・張保皐だったというくだりはスケール感といい、歴史的な面(日本と百済、任那の関係をふまえた)といい、いいアイデアである。ただ、伊予親王自身がホログラムで登場してしまうのはいかがなものかと思ったが(笑)
読了して思うに、李舜臣との海戦など、普通の戦争の描写は極力控え、忍法や剣法の場面だけで繋いでいった方が、作品が引き締まったのではないか。上下巻、ちょっと長かったのだよね。
(2008.11.21読了)

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