浅暮三文 『夜聖の少年』
浅暮三文 著 『夜聖の少年』(徳間デュアル文庫/2000年刊) を読む。
発光する光… それは人が〈大人〉になる儀式のためのシグナルだった。
抑制遺伝子を移植され、清廉な社会の一員となるという義務ーーー それを拒んだ少年たちは、土竜と呼ばれていた。
日の当たらぬ地下に住み、いつも腹を空かせ、秩序を守る炎人から逃げ回る日々。
しかし、そんな土竜の一人だったカオルが、閉鎖された研究室で、謎の巨人を見つけた時、封印されていた真実が解き明かされ始める。
僕は誰なのか? この世界は正しいのか? 少女マリアと二人で探索の旅に出たカオルが知ったこととは……
著者はあとがきで「科学に関して理解力がないのでSFは書くのに困るジャンルだ」と述べているが、なに、読者もほとんどの人が文系であるだろうから、科学に対する理解力がないのは読者も一緒だ(笑)
本作は著者にしては珍しく、実験的要素が皆無なオーソドックスなSF物語であった。
世界から暴力を排除するために「抑制遺伝子」を移植する管理社会と、それに抵抗する若者たちとの闘いを描く話。
科学的な設定などはさておき、主人公カオルがピンチにつぐピンチを切り抜けていく成長物語である。
全篇通して、どんよりとした雰囲気の話の進み方であったが、ハラハラする場面もあって概ね楽しめた。
ただ、わりと分量のある本だったにもかかわらず、のっぺりとした読後感だったのは、いささかオーソドックスすぎる展開であったからだろうか。
(2016.2.21読了)
発光する光… それは人が〈大人〉になる儀式のためのシグナルだった。
抑制遺伝子を移植され、清廉な社会の一員となるという義務ーーー それを拒んだ少年たちは、土竜と呼ばれていた。
日の当たらぬ地下に住み、いつも腹を空かせ、秩序を守る炎人から逃げ回る日々。
しかし、そんな土竜の一人だったカオルが、閉鎖された研究室で、謎の巨人を見つけた時、封印されていた真実が解き明かされ始める。
僕は誰なのか? この世界は正しいのか? 少女マリアと二人で探索の旅に出たカオルが知ったこととは……
著者はあとがきで「科学に関して理解力がないのでSFは書くのに困るジャンルだ」と述べているが、なに、読者もほとんどの人が文系であるだろうから、科学に対する理解力がないのは読者も一緒だ(笑)
本作は著者にしては珍しく、実験的要素が皆無なオーソドックスなSF物語であった。
世界から暴力を排除するために「抑制遺伝子」を移植する管理社会と、それに抵抗する若者たちとの闘いを描く話。
科学的な設定などはさておき、主人公カオルがピンチにつぐピンチを切り抜けていく成長物語である。
全篇通して、どんよりとした雰囲気の話の進み方であったが、ハラハラする場面もあって概ね楽しめた。
ただ、わりと分量のある本だったにもかかわらず、のっぺりとした読後感だったのは、いささかオーソドックスすぎる展開であったからだろうか。
(2016.2.21読了)
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