2016年1月読了本

〔文庫本〕2冊
森雅裕 『会津斬鉄風』(集英社文庫)
田中啓文 『十兵衛錆刃剣 SHADOWS in the SHADOW』(集英社スーパーファンタジー文庫)



〔図書館本〕3冊
山田昌弘&麓直浩 『ダメ人間の日本史』(社会評論社)
竹村公太郎 『日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】』(PHP文庫)
能町みね子 『ひとりごはんの背中』(講談社)



予想してたよりは読めた印象。
今年もこんなペースでのんびりとした読書傾向になりそうです。

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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

     

田中啓文 『十兵衛錆刃剣 SHADOWS in the SHADOW』

田中啓文 著 十兵衛錆刃剣 SHADOWS in the SHADOW 陰に棲む影たち(集英社スーパーファンタジー文庫/1995年刊) を読む。

時は江戸、徳川家光の治世。
柳生新陰流の遣い手、柳生十兵衛は暗殺を重ねる日々を送っていた。
「天下国家のため」という父・但馬守の命を信じ、刺客となったのである。
彼の強さの秘密は、右眼に飼っている蜘蛛ーーー相手の動きを先に教えてくれる「千手眼」。
しかし、剣の道をひたすらに求めてきた彼にとって、今の生活は地獄同然であった。
己の行為に疑問を持ち始めた矢先、将軍家光に隠密の仕事を申しつけられる。
魑魅魍魎が跋扈するという谷具久藩へ、十兵衛は一路探索の旅に出た…


我らのヒーロー柳生十兵衛が主人公。
右眼の中に、時を操る蜘蛛を飼っているというSF的設定は嫌いではない。
だが、父・宗矩の殺人マシーンとして生きていくことに疑問を持った十兵衛は、眼をくり抜いて蜘蛛を捨ててしまう。何と勿体ない。

家光から直々に隠密仕事の指令を受けた十兵衛は谷具久藩というところへ向かうが、途中、伊賀の抜け忍くノ一のおふうと道づれになり、さらに宗矩から派遣された裏柳生の猿という老忍者も加わり、なかなか賑やかなたびとなる。
物語としてはSF、ホラー、アクション、家光と小姓の濡れ場など、いろんな要素をごた混ぜにして、どこまで荒唐無稽に描くことができるかというヒーロー小説なので、特にこれといった考察もないのだが、著者得意の駄洒落が出てこないのがちょっと不満であった。
(2016.1.27読了)

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テーマ : SF
ジャンル : 本・雑誌

     

能町みね子 『ひとりごはんの背中』

能町みね子 著 ひとりごはんの背中(講談社/2012年刊) を読む。

コミック誌「モーニング」連載の人気コラムの書籍化。
シングルさんの部屋を訪ね、いつも作っているごはんをいただき勝手にくつろぐ厚顔ルポ。
21世紀のひとりぐらしの全貌がここに!


この本に登場する一人暮らしの人たちは、年齢も職業も種々雑多であるが、どの人も己の生活を楽しんで生きているようでなにより。
日ごろ料理し慣れているひとは、手早く何品も調理しつつ、簡単で恥ずかしいなどと謙遜している。
しかしこういう人は本書ではまれで、大多数の登場人物は、なんというかオリジナリティ溢れる一品物を作っていた。
料理はさておき、取材対象人物の仕事や趣味などの話が、それぞれとても面白かった。
他人の何気ない日常生活の話って、なぜこんなにも楽しいのか。
かなりユルいスタンスの企画本であったが、なかなか興味深い内容であった。
(2016.1.27読了)

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テーマ : 図書館で借りた本
ジャンル : 本・雑誌

     

森雅裕 『会津斬鉄風』

森雅裕 著 会津斬鉄風(集英社文庫/1999年刊) を読む。

会津に逗留する漂泊の刀装金工・河野春明は、彼の作とされた寸分違わぬ二枚の鐔に遭遇する。
流転を重ねたこれらの鐔の真贋をめぐって、老金工の意地と若き刀匠の誇りがぶつかる。
謎を斬り、鉄をも断つ激浪の風が会津から京、箱館へと吹き渡っていく。
和泉守兼定、佐川官兵衛、唐人お吉、土方歳三、時代の波間に泡影のような花を咲かせた男女の数奇な出会いが織り成す連作歴史抒情詩。


全五話からなる連作短編集。
作者の時代小説を読むのは初めてだが、なかなか面白かった。

会津斬鉄風
刀の鐔などを製作する金工の名人・河野春明の話。
江戸弁の春明と、滞在先の会津の弟子の会津弁の、会話の流れの悪さが面白い。

妖刀愁訴
会津藩お抱え刀鍛冶・十一代和泉守兼定作の刀に纏わる話。
ある会津藩士が長州の密偵であるという疑いが起き、兼定が成り行きで捜査する。
聞き込みや推理など、警察小説のような描写が幕末の殺伐とした雰囲気と相まって、とても緊張感のある話だった。

風色流光
会津藩士佐川官兵衛の生き様。
名の知れた幕末の武士は、いちいちカッコいい。
新選組や土佐藩士との交流も描かれ、戊辰戦争前夜の慌ただしくて灰色がかった印象の一編。
そんな中、唐人お吉の登場が彩りを与える。

開戦前夜
お吉が主人公の一編であるが、満を持して登場の土方さんのカッコよさにしびれる。
一言二言の短い会話なのに圧倒的な存在感。
やっぱ幕末といえば土方さんですわ。

北の秘宝
一転、蝦夷地上陸後の土方さん、変わらずカッコいいのだが、どうしても「死」を求めて闘ってる印象が強い。
でもやっぱり、あそこで戦死したことで永遠のヒーローとなったんだよねえ。
(2016.1.19読了)

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テーマ : 歴史・時代小説
ジャンル : 本・雑誌

     

竹村公太郎 『日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】』

竹村公太郎 著 日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】(PHP文庫/2014年刊) を読む。

日本全国の「地形」と「気象」を熟知する著者が、人文社会分野の専門家にはない独自の視点で日本の歴史・文明・文化の様々な謎を解き明かす。
ベストセラーとなった前作『日本史の謎は「地形」で解ける』と同様に、定説がひっくり返る知的興奮や、ミステリーの謎解きのような快感を同時に味わえる。
古代エジプトのピラミッド建設の謎に挑んだ「番外編」も必読。


日本の歴史の節目にあたる出来事を、地形や気象といった観点から眺めようという本書。
「なぜ日本は欧米列国の植民地にならなかったか」という問いに、当時の欧米の戦争形態である騎馬による陸戦隊が使えなかったことと、地震・水害による自然災害を上げている。
当時はまだナポレオンのような戦争の仕方だったから、日本は奴等に蹂躙されることがなかったのだねえ。
あと何十年かズレてて、第一次大戦の頃まで江戸時代だったら完全にやられていたかと思うと、明治維新のタイミングは絶妙だったのだと思う。
ところで、おれが学生の頃は「欧米列強」と習ったが、今は「欧米列国」と表記するようだ。

道民的には、石狩川をショートカットしたエピソードが熱かった。
開拓期の石狩平野は泥炭層という、水分を多く含んだ地層で、稲を育てようとしても駄目だったそうな。
泥炭層の水分を抜くには、地下水を低下させねばならず、そのためには石狩川の水位を下げるしかなかったとのこと。
蛇行している川を直線化し、水流を速くすると、川底が削られていくので水位が下がる。
水位が下がると、泥炭層の地下水は石狩川に吸い出されて、稲作が可能な地面になっていった。
どうしても米を食べたい我がご先祖様たちの努力によって、今ではとても美味しい道産米を毎日いただいております。
(2016.1.13読了)

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山田昌弘&麓直浩 『ダメ人間の日本史』

山田昌弘&麓直浩 著 ダメ人間の日本史(社会評論社/2010年刊) を読む。

「今に見てろよ…スゲーんだから俺は…そのうちビッグになってやる!」いますよね、こういうキモい奴、痛い奴…。
自己愛が肥大化した社会不適応ニート、誇大妄想引きこもり、対人恐怖症ヲタク…。
実は過去の偉人達も、近くにいるダメ人間と同じだったりして?
現代病理的なキーワード・概念で、日本史の偉人64人を再解釈。


昨年中に読んだ『ダメ人間の世界史』の姉妹篇。
収録人物は仁徳天皇~三島由紀夫までと、全時代を網羅する力作。
内容としては主にロリコン、シスコン、二次元愛好など、性的趣向への言及が多い。
まあ、それも「敢えて言えば」ぐらいのことなので、コレはキツイなという人物はいなかった。
どんな偉人といえども「HENTAI」的な趣味趣向を持っているということがわかると、その人物について軽く親近感を持ったり、奥行き感のある人物像を描けて、こういうエピソード集もなかなか良い。
(2016.1.4読了)

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文庫本備忘録2016.⒈1 付記2015年文庫本購入記録

あけましておめでとうございます。
本年も当ブログをよろしくお願い致します。

さて、読書における昨年の目標は「読了量が購入量を上回ること」でありました。
結果は残念ながら目標未達。
思いがけず購入本が多かったのが敗因です。

今年も同じ目標でやっていこうと思います。
買わないで読むだけにしてれば目標達成は楽勝なんだけど、読みたい本があったら買わさるのだよね~。
そもそも古本屋に行かなきゃいい話ですが。


2015年読了文庫本~31冊
2015年購入文庫本~48冊


2015年読了図書館本~15冊





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プロフィール

筒涸屋

Author:筒涸屋
札幌市出身・在住
戌年 射手座 B型 
右投右打 右四つ
好きな言葉:小春日和
2008.3.6開設

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