2014年9月読了本

2014.09.30(18:16)

〔文庫本〕2冊
井上雅彦 監修 『夏のグランドホテル 異形コレクションⅩⅩⅥ』(光文社文庫)
諸田玲子 『こんちき』(文春文庫)


〔図書館本〕2冊
辻隆太朗 『世界の陰謀論を読み解く』(講談社現代新書)
山口謠司 『てんてん』(角川選書)


今月は合計4冊と、近頃では多めな方ではなかろうか。
秋も深まってくるにつれ、さらに読書に励みたい。
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諸田玲子 『こんちき』

2014.09.23(18:39)

諸田玲子 著 こんちき あくじゃれ瓢六捕物帖(文春文庫/2007年刊) を読む。

色男・瓢六が、北町奉行所の同心・篠崎弥左衛門とともに、江戸の町の難事件を鮮やかに解決するシリーズ第二弾。
晴れて無罪放免となった瓢六だが、お袖と熱々の平和な日々も長くは続かない。
訳ありの母子を匿ったり、瓦版を作ったり、そして今度はお袖が牢に入れられる!?


シリーズ一発目『あくじゃれ』を読んだのが2010年9月だったので、丸4年ぶりに続編を読む。

前巻で、牢獄と娑婆を出たり入ったりして色々な事件を解決した瓢六は、無罪放免となり、芸者・お袖の家に居候中。
そんな時、賀野見堂という貸本屋が発行する瓦版の助っ人をするようになり、いろんな事件に首を突っ込むようになる。
牢仲間の鶴吉、作次郎や、浪人・筧十五郎、前巻にも登場していたちえ婆さんなどと、事件を解決するためとか、事件を焚きつけるためとか、瓦版を利用して活躍する。
事件そのものは、時代劇によくあるものなので、取り立てて凄くはないのだが、脇のストーリーが充実していて飽きさせない。
すっかり瓢六とコンビになってる同心・篠崎弥左衛門の恋の行方。
浪人・筧十五郎の人となり。
そして、長屋に隠れ住んでいる、曰わくある母子。
これらは、今巻で一通り決着ついたものもあるし、次巻以降へ持ち越しのようなものもあるし、続きを早く読みたいと思わせる効果がある。

久しぶりに読んだ捕物帳的時代小説だったので、話の内容をどうこう考えるよりも、読むこと自体を楽しんでしまった。
(2014.9.20読了)

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井上雅彦 『夏のグランドホテル』

2014.09.17(18:26)

井上雅彦 監修 夏のグランドホテル 異形コレクションⅩⅩⅥ(光文社文庫/2003年刊) を読む。 
夏のグランドホテル
ようこそ。おいでくださいました。
此処は、知る人ぞ知る伝説のホテル。
運良く訪れることのできた宿泊客だけが、自分だけの秘密にし、他人に教えたがらないという「桃源郷」。
真昼の幽霊のようにひっそり佇む、あのエレガントな白亜の西洋館こそが、〈夏のグランドホテル〉。
そう。今宵の貴方のための、真夏の夜の夢……の舞台なのです。
(編集序文より)


収録は24作品。
映画で言うところの「グランドホテル形式」で編まれたアンソロジー。
基本的な設定はあらかた決まっていて、海辺のリゾートホテルで、ホテル所有のプライベートビーチにクルーザーがある、南欧の雰囲気を湛えたエレガントな白亜の西洋館である。
フレンチ「ジル・ド・レ」、中華「海虎樓」、和食「不知火」の各レストランに、バー「オールド・ニック」も共通設定。
あと、8月1日にホテル周辺だけで観測される流星が降る〈夏の星祭〉。
これらの設定を踏まえて、とても楽しいアンソロジーに仕上がっている。
各作品の感想は追記に。
(2014.9.17読了)

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山口謠司 『てんてん』

2014.09.13(18:54)

山口謠司 著 てんてん 日本語究極の謎に迫る(角川選書/2012年刊) を読む。
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〈かな〉を濁った音にする「てんてん」は、近代に発明された記号である。
『古事記』『万葉集』など万葉仮名で書かれた日本語には、濁音で始まる言葉はほとんど無く、江戸の人々は「てんてん」が付かない文章でも、状況に応じて濁る・濁らないを判断していた。
自然の音を言葉にする能力に長けた日本人の精神性に根ざした「てんてん」の由来と発明の真相に迫る!


濁点表記について語るため、まずは万葉仮名についての説明をし、それから奈良・平安時代の政治状況や文化について語り、鎌倉時代や室町時代にも言及する。
「てんてん」というテーマから見た日本史の勉強はとても面白かった。

もともとは漢文を読むときに、意味を混同しない為につけられた「声点」というアクセント記号が濁点の源なのだそうだ。
漢文の場合、アクセントの違いを表すのに、文字の四隅に記号をつけるそうだが、日本語の場合は清濁の違いを表すだけでよいので、一カ所に記号を配するだけで良かったそうだ。

マンガなどでよく見かける、実際には発音しない「あ」「え」「ん」なんかに濁点をつけるのは、雰囲気をイメージできて便利なものだが、実は、清濁による違いの記号ということではなく、感情を強調するための記号ということで、後世評価されうることなのではないだろうか。
(2014.9.12読了)

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辻隆太朗 『世界の陰謀論を読み解く』

2014.09.03(18:44)

辻隆太朗 著 世界の陰謀論を読み解く ユダヤ・フリーメーソン・イルミナティ(講談社現代新書/2012年刊) を読む。
世界の陰謀論を読み解く
偽書・世界征服計画の書『プロトコル』、フランス革命とメーソンの関係、新世界秩序陰謀論の論理、日本でたびたび巻き起こる震災デマ…偽史をつむぐのは誰なのか。

フリーメーソンやイルミナティの成り立ちから、陰謀論が形成される流れについて、わりと易しく書かれていたので理解しやすかった。
で、この本の趣旨としては、陰謀論ってのはインチキですよっていうことを言いたいのだと思うのだが、
主にキリスト教世界で喧伝されている陰謀論についてを語り、陰謀論の例として紹介している事柄は極端な話だったりするので、何となく説得力が弱い。
著者は「世界のすべてはひとつの意志のもとで相互に関係し、統一された陰謀のタペストリーを織り成している」と主張しているが、こう結論付けるのもちょっと強引な気がする。

とても気になった点は、著者の文章と引用の文章に区切りがなく、非常に読みづらいところ。
ひどいときには行変えさえしていなく、読むのが疲れる。
わざと読みにくくして読者を混乱させようとしているのではないかと勘ぐってしまうほど。
もうちょっと読者を意識した構成にすべきだと思った。
こういうのは編集者が指摘してあげるべきだとも思うが。
(2014.9.2読了)

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2014年09月

  1. 2014年9月読了本(09/30)
  2. 諸田玲子 『こんちき』(09/23)
  3. 井上雅彦 『夏のグランドホテル』(09/17)
  4. 山口謠司 『てんてん』(09/13)
  5. 辻隆太朗 『世界の陰謀論を読み解く』(09/03)