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島田荘司 『写楽 閉じた国の幻』

島田荘司 著 写楽 閉じた国の幻(新潮社/2010年刊) を読む。
写楽10325231
わずか十ヶ月間の活躍、突然の消息不明。
写楽を知る同時代の絵師、板元の不可解な沈黙。
錯綜する諸説、乱立する矛盾。
歴史の点と線をつなぎ浮上する謎の言葉「命須照」、見過ごされてきた「日記」、たどりついた古びた墓石。
史実と虚構のモザイクが完成する時、美術史上最大の迷宮事件の“真犯人”が姿を現す!


著者の作品を読むのは初めて。
初めて読むのがこんな分厚い本で大丈夫かなあと思ったが、この人の書く文章はたいへん読み易い。
ただ冒頭、主人公の息子が回転ドアに頭をはさまれて死亡する事故が起こるのだが、その事故から家庭内のイザコザなどの話があり、本筋に入るまで読むのに2週間くらいかかってしまった。
読むとイヤな気分になるので。
本筋に入ってからは、とても面白く読むことができた。

この作品で提示される「写楽現象」の謎、歌麿、北斎、一九、京伝など蔦屋の身近な人たちがいっさいの言及を避けていること、別人説に比定される写楽の候補者たちが誰ひとり「自分が一時期写楽であった」と言ってないこと、これらを矛盾なしに説明するには、この作品で示されたことが正解のような気がする。
ていうか、これで決まりっしょ、と、読んだものにすぐ影響されるオレはそう思うのであった。

主人公である浮世絵研究家の佐藤氏が、写楽のことを本にするため、たびたび編集者とミーティングするのだが、この編集氏、いつも先に来ていてビール飲んでるのだが、そうとう日々のストレス溜まってんだろうねえ。

佐藤氏の事故の原因究明機関の中心人物で、写楽の件についても関わってくる美貌の女性教授・片桐教授は、もし映画化とかされる際には栗山千明でお願いします。
(2012.11.2読了)

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

コナン・ドイル 『勇将ジェラールの冒険』

コナン・ドイル 著 上野景福 訳 勇将ジェラールの冒険(創元推理文庫/1972年刊)【ADVENTURES OF GERARD:1903】 を読む。
勇将ジェラールの冒険
ナポレオン庇下の軽騎兵第十旅団きっての名剣士ジェラールが語る数々の武勇談。
皇帝には忠誠無類、剣には強くカワイコちゃんには弱い男一匹。
まさに「三銃士」のダルタニアンの再来を思わせる明朗闊達なガスコン生まれの快男児獅子奮迅の大活躍。
マルボ将軍をモデルにナポレオン時代の戦史に基づいて西洋騎士道の本流を描く痛快無比の歴史小説!


前作『勇将ジェラールの回想』に続く老准将の思い出話第2弾!
今巻も、自分がいかに勇敢な軍人であったか、いかに各遠征地でモテモテだったかを、思う存分披露。
ヴェニス、イギリス、スペイン、ポルトガル、ロシアとずいぶん色んなところでエピソードを残してますなあ。
前巻を読んだ時は、ジェラール爺さんの語る活躍やロマンスが、ずいぶん鼻につきつつ読んだのであるが、今巻の第3話以降、逆にもの悲しくなってしまった。
第3話「准将が狐を殺した顛末」の冒頭で、現在の自分の境遇を語る場面があるのだが、キャベツの栽培をしながら、月100フランで生活しているのだそうだ。
この時の100フランがどの程度の価値があるのか分からないが、第6話「准将がミンスクに馬を進めた顛末」では、どうやらいつもワインをおごってもらっているような描写があるので、あまりゆとりのある生活はしてないらしい。
そういうことを踏まえて、輝かしいナポレオン軍のエース格であった頃の話を読むと、実にどうもしんみりしてしまうのだよねえ。

ということで、ヴェニスのルチィアにモテたり、狩りでイギリス人に勝ったり、ナポレオンの身代わりをつとめてプロシア軍を翻弄したりといった冒険談を、「ジェラール爺さんすごいや!」と思いながら読み、自分が年寄りになった時には、自慢話は極力しないようにしようと思ったのであった。
(2012.10.25読了)

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テーマ : 歴史・時代小説
ジャンル : 本・雑誌

山口雅也 『続・垂里冴子のお見合いと推理』

山口雅也 著 続・垂里冴子のお見合いと推理(講談社文庫/2004年刊) を読む。
続・垂里冴子のお見合いと推理
見合いの度に怪事件が発生し、破談になってしまう和風美人の垂里冴子。
続編でも4回のお見合いに四つの事件がついてきた!
老舗旅館に出没する幽霊の正体、肌が荒れるエステティック、七福神盗難事件、象の靴の謎。
史上最も縁遠い美人探偵の活躍が心地よい極上の連作ミステリ。


この巻では我らが空美姉さんが大活躍!
湯煙のごとき事件』では、温泉旅館で死にそうな目にあい、
薫は香を以って』では、冴子姉さんに間違えられて殺されそうになり、
靴男と象の靴』では、駅の階段でてっ転んでヒールが折れてデートに行きそびれたり、死体を発見したりと大忙し。
末っ子の京一も、大学受験に失敗し、浪人中のさなか『動く七福神』では、事件の渦中に巻き込まれたり失恋したりと気の毒な役回り。
それらすべてのエピソードに、主人公たる冴子姉さんは、フワフワと浮世離れした様子でピシピシと事件を解決。
これだけフンワリした主人公もなかなかいないと思うが、主人公だけあって存在感は十分にあるのが嬉しい。
今後冴子姉さんが結婚できるのかどうかは分からないが、歳を取ってもミス・マープルのような感じの名探偵であり続けるような気がする。
(2012.10.6読了)

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

眉村卓 『サロンは終った』

眉村卓 著 サロンは終った (ハヤカワ文庫/1974年刊) を読む。
サロンは終った
傑作SF短篇集。5篇収録。

テキュニット
極度に管理化された火星都市群。
包括名称“テキュニット”と呼ばれるこの都市群は、恐るべき全体主義社会で、そこに住む人間はこまかく階級づけされて、ろくに自由も与えられていない。
しかも成員自身は自分達が不自由だとも不幸だとも考えていない。
なんか北朝鮮あたりがこういう社会状況に近いのだろうかなあと思わせる。
しかもこの作品では、死んだ人間や、社会不適合者と判定された人間は、最下層成員である「共同使用人」と呼ばれる人造人間的なものに加工されてしまう。
何とも重苦しい話で、結末もハッピーエンドにならないのが余計重苦しい。

ぼくの場合
社会が発達しすぎて、いくつもの仕事をこなしながら、さらに次の職のために勉強しなければならなくなった世界。
世の中に遅れまいとする人間は誰もが幻覚に悩まされながら生きている。
かなりイヤな世界であるが、この作品の執筆時期(1968年)の社会状況が、そういう雰囲気だったのだろうなあ。

よじのぼる
著者の名作『EXPO '87』に登場していたビッグ・タレントをテーマにした作品。
ビッグタレントとして成りあがろうとする若者が打ちのめされる話なのだが、挫折した後にもまだ這い上がろうとする姿は、みじめではあるが凄みを感じる。

緋と銀のバラード
犯人あて懸賞小説として発表されたSFミステリー。
けっこうズルイ創り方をしてるので、ミステリーとしては疑問符がつくが、幻覚を体験する「実感装置」という機械のアイデアはおもしろい。
どうでもいいけどタイトルの意味するところがちっとも分からなかった。

サロンは終った
時代に乗り遅れた人間の哀しさを描いた作品。
自分が一番充実していた若い頃の気分を引きずったまま、歳を食ってしまった主人公が痛々しい。
(2012.9.29読了)

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テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

ベンジャミン・フルフォード 『ステルス・ウォー』

ベンジャミン・フルフォード 著 ステルス・ウォー 日本の闇を浸食する5つの戦争(講談社/2010年刊) を読む。
ステルス・ウォー06216124
日本とアメリカで、「9.11」で始まった「ストーリー」が、なぜか、「9.16」で終わっていた。
いったい、この「暗号」は、何を意味するのか?IMFに奪われた10兆円の謎!?中川昭一元財務相を殺した「闇の支配者」が日本の富を収奪する。


いわゆる「陰謀論」を説く本書。
2004年以降、著者は「世界を本当に支配しているのは『フリーメイソン』や『イルミナティ』などと呼ばれる謎の秘密結社であり、ヨーロッパ王族や、とくにアメリカの権力者たちのほとんどが秘密結社のメンバーで、彼らは人類を家畜のごとく扱い、増えすぎた人口を減らすために『人類浄化作戦』を考えているようだ」といったようなことを主張している。

本書では“闇の支配者”が現代世界に仕掛けた「見えない戦争」を、マネー、石油、ウイルス、麻薬、食糧の五項目で紹介している。
ちなみにオレは陰謀史観については、あって当然のスタンスなので、本書で紹介された内容は腑に落ちる。
闇の支配者は、アメリカ合衆国に富を集中させ、山分けする方法を駆使しているそうだ。
FRDの設立、メジャーによる石油独占、ドルの価値の維持など、着々と世界中の富を収奪するシステムを構築していく流れは見事なものだ。
ウイルスによって人類を間引きしようと企んだり、麻薬や食糧でさらに富を蓄積しようとする闇の支配者であるが、そいつらの内部抗争があったりとか、闇の支配者にさからう勢力(ベネズエラやブラジルなど)が出てきたりとかしてるらしい。

結局、世界が今後どうなっていくのかはよく解らないが、日本人としては、日本の国益の為に行動していきたいところではある。
でも日本はアメちゃんの子分だからなあ。
(2012.9.16読了)

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テーマ : ノンフィクション
ジャンル : 本・雑誌

清水義範 『江勢物語』

清水義範 著 江勢物語(角川文庫/1991年刊) を読む。
江勢物語
えーっと、これは、けして『伊勢物語』と間違えたわけではありません。
“えせ”とは、何かと申しますと…それは、読んでからのお楽しみ。さぁ、扉を開けて下さい。
どれがホントで、どれがウソなのか、貴方に真実をみわけることができますか。
上から見ても、下から見ても、横から見ても、清水ワールド満載のまるごと一冊、福袋。
古今東西のエセを集めた、文庫オリジナル短篇集。全11篇収録。


現代語訳「江勢物語」』は、古典文学を現代語訳した体で進められる話。
和歌の現代語訳がやたら長文であるという、いかにも古文の教科書にあったようなやつがウケた。

スノーカントリー』は、夏休みの宿題で英語の小説を翻訳してきた生徒の訳文を、教師が読みながらツッコミを入れる話。
「スノーカントリー」というのは、川端康成の「雪国」のことで、英訳された「雪国」を高校生が日本語に訳すのだが、訳が進むうちにだんだんエロい感じになっていくのが面白い。
翻訳された小説って、たまに違和感ある文があったりするけど、そういうのって原文のニュアンスが的確に訳されてなかったりするのかもね。

訳者あとがき』は、いかにも翻訳者が書きそうな、あとがきのパロディ作品。
こういうパロディは著者の大得意とするところで、非常に楽しい。
(2012.9.12読了)

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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

野村胡堂 『銭形平次捕物控(八) お珊文身調べ』

野村胡堂 著 銭形平次捕物控(八) お珊文身調べ(嶋中文庫/2004年刊) を読む。
銭形(八)
平次が八五郎を誘って出かけた“文身自慢の会”で、最後に飛び込んできた男の下腹部には、見事な蛇が彫られていた。
さらに、その男を逃がすように現われた美しい女の上半身には、十二支のうち、七つまでが……
はたして、ふたりは平次の追う十二支組の残党なのか?
表題作「お珊文身調べ」など十編を収録。


鈴を慕う女
あちこちの神社の拝殿の鈴が盗まれる事件から、島原の乱の残党を召捕る大捕物へ。
平次親分、2枚投げ銭してます。
話の舞台が江戸時代初期ということは、この作品わりと初期に書かれたものなのだろうか。

路地の足跡
狡知に長けた犯人を鮮やかに捕らえる平次親分。
人間観察で犯人の目星をつける洞察力が良い。

濡れた千両箱
盗んだ千両箱を隠すトリックが見事な作品であった。
平次親分の、ホームズばりの捜査もテキパキしていてよい。

怪伝白い鼠
一番利益を得るのは誰か?という犯罪捜査の基本で見事犯人をつかまえる平次親分。
投げ銭も一発必中で犯人の二の腕を打つ。

朱塗の筐
本所の親分、石原の利助の娘、お品がゲスト出演。
とりあえず無実の人間を縛っておいて、後日お白州にて真犯人を捕らえる平次親分。
平次が真犯人を指摘した後に、カッコいいセリフを吐いて颯爽と立ち去る笹野の旦那がステキだ。

お珊文身調べ
この作品では、平次親分の活躍時期が寛永から明暦の頃とされている。
文身(ほりもの)のウンチクが語られていて面白い作品だった。
八五郎が、くるぶしに小さい桃の文身をしているのが笑える。

鉄砲汁
八五郎の持っている大なまくらの脇差が十両もの大金で売れたことを聞いた平次親分が、事件の臭いをかぎつける。
結局、抜荷仲間の毒殺事件を解決した平次親分だったが、自宅を放火されて正月そうそう八五郎の家に居候することに。
「親分を居候に置いたとあれば、あっしも肩身が広い」
本当に、この親分・子分の関係は気持ちよい。

お染の嘆き
“罪を憎んで人を憎まず”なことがたびたびある平次親分。
「またいつものが始まったぜ」と言う八五郎のセリフがいいよねえ。

雪の精
またまた下手人を告発せずに逃がす平次親分。
一名を“しくじり平次”と呼ばれてるそうだが、こういう時、笹野の旦那にはきちんと事情を説明しているのだろうか。

縁結び
けっこう入り組んだ殺人事件を解決するも、手柄を他の岡っ引きに譲る平次親分。
こんなところが岡っ引き仲間から一目置かれるんだよね。
「娘三人の心持を滅茶滅茶にするより、いつまでも独り者の八五郎の方が立派さ」
「その気で付き合って下さい、親分」
こういう親分子分のやりとりもまたいい。
(2012.9.8読了)

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筒涸屋

Author:筒涸屋
札幌市出身・在住
戌年 射手座 B型 
右投右打 右四つ
好きな言葉:小春日和
2008.3.6開設

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