2010年9月読了本

〔文庫本〕7冊
山本一力 『いっぽん桜』(新潮文庫)
諸田玲子 『あくじゃれ』(文春文庫)
加納一朗 『あやかし同心事件帖』(ワンツー時代小説文庫)
諸田玲子 『お鳥見女房』(新潮文庫)
荒山徹 『魔岩伝説』(祥伝社文庫)
エラリー・クイーン 『エラリー・クイーンの事件簿1』(創元推理文庫)
清水義範 『お金物語』(講談社文庫)


〔図書館本〕1冊
金容雲 『日本語の正体』(三五館)


8月の破壊的な暑さもおさまった(←この場合の“おさまる”の漢字がわからなかった)からだろうか、今月はかなり読んだぞ。
10月もこの調子で読めるだろうか。
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エラリー・クイーン 『エラリー・クイーンの事件簿1』

エラリー・クイーン著 青田勝訳 『エラリー・クイーンの事件簿1』(創元推理文庫/1972年刊)【THE VANISHING CORPSE/THE PENTHOUSE MYSTERY:1941】 を読む。
エラリー・クイーンの事件簿
<健康の家>の主人が殺された。医師からガンの宣告を受けた直後のことだった。ところが死体置場に運び込んだはずの死体が、いつのまにか石膏の像に変わっていた。ひょんなことから事件に巻き込まれた推理作家志望の娘ニッキー・ポーターと共に、エラリー・クイーンは捜査を開始する。
エラリー&ニッキーのコンビが手がける第二の事件は、中国帰りの腹話術師の殺人事件。スパイ、イカサマ賭博師、怪しげな中国人、現場に残された謎のカード、紛失した宝石の行方、などなど小道具が取り揃った本格ミステリ。


本書に掲載の「消えた死体」「ペントハウスの謎」は2作とも映画のために書いた脚本を、クイーン自らノベライズした作品とのこと。
どちらの作品も割りと分かりやすい構成で、どんでん返しな場面もなくストレートに物語が進行する。
映画ならヒロインが必要ってことで、クイーンの秘書としてニッキー・ポーターを登場させているが、このニッキー嬢、好奇心旺盛なドジッ子という、昔のアメリカ映画によく出てきそうな女性だ。
とても良い。

「消えた死体」の被害者であるジョン・ブラウンという人は、「健康の家」というジムを経営したり、健康食品を売ったり、いわゆるダイエット産業の会社を経営してるのだが、この作品が書かれたのは1941年。
戦前・戦中に発表されたクイーン作品を読むたび思うんだけど、当時の日米の生活レベルの差というのははなはだしいものがあるよなあ。。。
(2010.9.26読了)

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荒山徹 『魔岩伝説』

荒山徹著 『魔岩伝説』(祥伝社文庫/2006年刊) を読む。
魔岩伝説
折しも朝鮮通信使が50年ぶりに来日する直前、対馬藩の江戸屋敷に曲者が侵入した。
幕閣が放つ剣客柳生卍兵衛の魔手から若き遠山景元が救ったのは、なんと朝鮮の女忍びだった。
彼女が仄めかす徳川幕府200年の泰平を震撼させる、李氏朝鮮と家康との密約とは?
国禁を犯し、朝鮮に渡る景元とその追っ手たち。
史実の裏で繰り広げられる壮大無比な傑作時代伝奇!


荒山作品を読むのは、『高麗秘帖』『魔風海峡』に続き3作目。すべて面白い作品であるが、今回のは特におもしろかった。ちゃんと刊行順に読んでる自分がちょっとかわいい。
『魔風海峡』を読んだときにちょっと思った、説明の文や資料によってストーリーの流れが分断されてしまうということが無く、物語の流れとして読めたので、ワクワク感が削がれることが無かった。

この物語は青年時代の遠山の金さんが主人公。朝鮮通信使の謎を追い朝鮮に渡り、済州島独立や朝鮮王朝打倒を目論む人たちと一緒に王朝と闘う。
太陰石という霊力満点の岩を巡っての闘いの話なのだが、この岩は司馬遷の『史記』に記載されているほどの古くて由緒のある岩なのだ。
この岩の霊力によって李王朝は永らえていて、霊力のお裾分けを徳川幕府はもらっている。そのお裾分けのために朝鮮通信使が来日するのだ!

話が展開するたびに山場が用意されていて、息つくヒマがない。
金さんの桜吹雪の刺青の理由が、無理なくストーリーに溶け込んでいるのがうまいなあ。
金さんの敵役として登場の柳生卍兵衛もかっこいい。隻眼で、そのうえ持ってる刀が三池典太。もちろん強い。

家康の出自の秘密や日光東照宮の謎、さらには天海大僧正の謀略など、圧倒的なスケール感で描かれた作品で、読後感も非常に良かった。
(2010.9.23読了)

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諸田玲子 『お鳥見女房』

諸田玲子著 『お鳥見女房』(新潮文庫/2005年刊) を読む。
お鳥見女房
将軍の鷹狩りの下準備をするお鳥見役には、幕府の密偵という裏の役割があった。
江戸郊外、雑司ヶ谷の組屋敷に暮らす御家人・矢島家は、当主が任務のため旅立ち、留守宅を女房・珠世が切り盛りしている。
そんな屋敷にある日、子だくさんの浪人者が押しかけてきて・・・
さまざまな難題を、持ち前の明るさと機転で解決していく珠世の笑顔と大家族の情愛に心やすらぐ、人気シリーズ第一作。


御家人のカミさんが主人公の連作短篇。
珠世の身の周りに起こる出来事を綴るホームドラマのような作品。
珠世の性格が朗らかで、何事も前向きにとらえる人に描かれているので、明るさが漂う作品に仕上がっている。
第1話で、敵持ちの浪人・石塚源太夫と、その浪人を討とうとする娘・沢井多津が、ひょんなことから矢島家に居候としてやっかいになるのだが、これがなかなか面白い。
その後、話が進んでいくにつれ、娘が浪人に惚れていく様子がいい。

合間にちょいちょい紹介されるお鳥見役の仕事内容は、なかなか大変そうだ。
矢島家の主である伴之助は、入り婿の悲しさか(笑)、ほとんどストーリーに絡んでこず、途中でお役目のために沼津藩へ出張していなくなってしまう。
お鳥見役は隠密廻りの役目もあるという設定なので、ここらへんの油っこい話は次巻に出てくるのだろう。

その他、源太夫の5人の子ども達が微笑ましかったり、矢島家の人々の仕事や恋愛エピソードなど読みどころが多く、物語の構成もテレビのホームドラマのような雰囲気だ。
次巻以降に期待を持たせるシリーズ第1巻であった。
(2010.9.18読了)

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加納一朗 『あやかし同心事件帖』

加納一朗著 『あやかし同心事件帖』(ワンツー時代小説文庫/2006年刊) を読む。
あやかし同心事件帖
凶作が続き米価が高騰していた天明7年5月、深川の米問屋、相州屋の娘お咲が夢遊病者のように夜半に家を抜け出し、その後を追った兄の佐吉が何者かに刺殺される事件が起きた。
お咲は明け方に戻ってきたが、首筋に咬み傷があり、外出したことを覚えていないらしい。
南町奉行所隠密廻り同心、香月源四郎が相州屋の探索を始めた矢先、別の米問屋でも同じような騒ぎが・・・
江戸市中を震撼させる奇怪な事件は魔物の仕業なのか!? 書き下ろし長篇。


加納一朗御大の書き下ろし長篇時代劇。
フツーの時代劇にあらず、ホラー時代劇だった。
八丁堀の隠密同心・香月源四郎は、南部藩の目付役・倉知丈助と組んで、吸血鬼と闘うのだった!
最初は一般的な捕物帳のつもりで読んでたので、なんか話の様子がおかしく感じ、あんまり面白くないなあと思っていたのだが、物語が進むにつれてだんだんと面白くなっていった。
途中からストーリーに絡んでくる倉知さんは、最初吸血鬼の一人を颯爽とやっつけてかっこよかったのに、その後、他の吸血鬼に負傷させられ、クライマックスの場面ではまったく活躍できなかったのが笑った。
藩主直属の目付役人で、いかにも活躍しそうな描写のされ方だったのに。

天明の大飢饉のおり、人肉食により吸血鬼になったというアイデアは、ちょっと無理矢理な感じがするが面白い。
が、由井正雪の末裔であるってのは、設定盛りすぎな気がするぞ。
(2010.9.16読了)

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金容雲 『日本語の正体』

金容雲著 『日本語の正体 倭の大王は百済語で話す』(三五館/2009年刊) を読む。
日本語の正体
日韓語の道、それは古代の一大叙事詩でもある――
日韓語について多くの韓国人は「現韓国語がオリジナルで、現日本語はその変形だ」と誤解する人が少なくない。
しかし、音韻を増やした韓国語のほうが大きく変わり、昔ながらの音韻範囲をほとんど維持してきた日本語のほうが原型に近いものが多い。
日本人はどれほど努力しても中国式の漢字とはソリが合わず、むしろ王仁が伝えた訓読を日本式として確立する道を選んだのだ――


日本語と韓国語を比較し、日本語のルーツを探ろうという本書。
著者によれば、それは百済語だという。
それに新羅語も合わさっているらしい。
だがその前に加耶語が古代日本語の基礎語となったとのこと。
朝鮮半島の歴史を踏まえないとよく分からない。
著者の金博士、さすが学者なだけあってド素人に分かりやすいようには書いてくれない(笑)
でも現役の学生なら理解できるのかな。アジア史なんてほとんど忘れてるからなあ。
テーマとしては面白かったのだが、消化不良のまま読み終えてしまった。
(2010.9.15読了)

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SKET DANCE

2010年9月発売『SKET DANCE』15巻購入。
978-4-08-870103-5.jpg
今年の春ごろからハマッていて、コミックスを集めようと思い、
最初はブックオフで買い集めようとしていた。

だが、どこの店舗で探しても105円では売っていず。
なので、新刊で購入。
1巻~14巻は仕方なく250円とかで買い揃えていかなくてはならない。

以後は新刊出るたびに定価で購入するつもりであるが、考えてみればここ20数年
『こち亀』以外の新刊コミックスを購入したことがなかった。
オレに新刊購入を決意させたスケット・ダンス、侮りがたし!(笑)

978-4-08-870102-8.jpg
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』171巻も、もちろん購入。


備忘メモ:2010年9月現在、毎号欠かさず読んでるジャンプ連載作品
スケット団、両さん、銀さん、いぬまるくん、バクマン。

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諸田玲子 『あくじゃれ』

諸田玲子著 『あくじゃれ 瓢六捕物帖』(文春文庫/2004年刊) を読む。
あくじゃれ
絶世の色男、粋で頭も切れる目利きの瓢六が、つまらぬことで小伝馬町の牢屋敷に放り込まれた。
ところが丁度同じ頃起きた難事件の解決に、瓢六の知恵を借りようと、与力・菅野一之助は日限を切っての解き放ちを決める。
不承不承瓢六のお目付け役を務める堅物の定廻り同心・篠崎弥左衛門との二人組による痛快捕物帖!


未決囚として牢屋敷に入っている、元唐絵目利きで阿蘭陀通詞見習いの瓢六が、ことあるごとに外に出されて事件を解決するという、ちょっと変則的な捕物話。
色男の瓢六と、醜男の同心・弥左衛門というコンビは、ベタな感じだがいいコンビだ。
難事件を次々解決する本筋も面白いのだが、瓢六とその情婦・お袖とのエピソード、弥左衛門とその一目惚れの相手八重の恋の行方など、サイドストーリーが楽しい作品である。
弥左衛門の上司・菅野様も与力のくせに浮世離れした人物だし、たまに出てくる同心の粕谷もいい味出してる。
登場人物それぞれが印象に残るひとたちで、エンターテイメント作品としてかなり完成度が高い。
2冊目以降にも期待をもたせる。
(2010.9.6読了)

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山本一力 『いっぽん桜』

山本一力著 『いっぽん桜』(新潮文庫/2005年刊) を読む。
いっぽん桜
仕事ひと筋で、娘に構ってやれずにきた。せめて嫁ぐまでの数年、娘と存分に花見がしたい。密かな願いを込めて庭に植えた一本の桜はしかし、毎年咲く桜ではなかった。そこへ突然に訪れた、早すぎる「定年」・・・
陽春の光そそぐ桜、土佐湾の風に揺れる萩、立春のいまだ冷たい空気に佇む忍冬、まっすぐな真夏の光のもとに咲き誇る朝顔。
花にあふれる人情を託した四つの物語。


「いっぽん桜」
主人公のおっさんのような、「前いた会社では・・・」式の、妙なプライドのある人っているよねえ。
この話では、洪水をきっかけにして、その変なこだわりを克服することができたのだが、いかにも小説らしい出来すぎた感じに思えてしまった。

「萩ゆれて」
著者の地元、土佐が舞台の人情話。
武士を捨て、漁師~魚屋へと転職する男の話であるが、妹や嫁、嫁の家族など、周りがいいひとばっかりなのが胡散臭い(笑)
嫁につらく当たってた姑も、死ぬ前に心開くし。
読んでる最中は感動するのだが、読み終わるとしらけてしまうのは、オレの心が汚れているせいなのか。

「そこに、すいかずら」
お話そのものより、三千両もする雛飾りの内容がすごい。

「芒種のあさがお」
主人公のおなつがとても魅力的。
あさがお職人に嫁ぐのであるが、あさがお職人ってのは冬場は何して暮らしているのだ?
(2010.9.5読了)

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諸田玲子 『笠雲』

諸田玲子著 『笠雲』(講談社文庫/2004年刊) を読む。
笠雲
明治維新後、富士山麓の開拓に乗り出した清水次郎長。
一の子分の大政こと政五郎は新時代の中で「夏火鉢」扱いに甘んじていたが、開墾現場の仕切りを任され一筋縄ではいかない男どもをまとめあげていく。
だが動員された囚人の脱走騒ぎに続き、古参の子分・相撲常が変死。
事件のからくりに気づいた政五郎の怒りが爆発する!


幕末の大侠客、次郎長一家が維新後、富士の裾野の開拓に乗り出す物語。
「開拓」という言葉を見ると、こちとら原生林を切り拓き、真冬の猛吹雪に震えるという、北海道式なイメージを持ってしまうが、さすが静岡県は温暖な地域だねえ、北海道開拓よりも早いスピードで開墾が進んでいきます。
維新後すっかり脱力してしまっていた大政が、次郎長から開拓の仕切り役に指名され、慣れない仕事ながらも開墾事業をすすめていく様子はなかなかのものである。
相撲常が騙されたうえに犬死にする場面から最後までは、息もつかせぬ感じで読ませる。
テーマが地味なわりには面白く読める作品であった。
(2010.8.27読了)

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プロフィール

筒涸屋

Author:筒涸屋
札幌市出身・在住
戌年 射手座 B型 
右投右打 右四つ
好きな言葉:小春日和
2008.3.6開設

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