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横溝正史 『死仮面』

横溝正史著 『死仮面』(春陽文庫/1998年刊) を読む。
死仮面
「私の前に一人の女性が現れました。その女は山口アケミと名乗り、不思議な同棲生活の末、死んだらデスマスクをとってある所に送ってほしい、と言い遺してその晩に死にました・・・」
彫刻家・野口慎吾の告白を磯川警部から聞かされた金田一耕助は、もじゃもじゃの頭髪をがりがりと掻きまわして昂奮を示した!
表題作の他、『鴉』を収録。


『死仮面』
初出:「物語」昭和24年5月~12月号
この作品、角川文庫でも出ているが、角川版は連載4回目の章が欠落していた為(当時どこを探しても掲載誌が見つからなかったらしい)、中島河太郎氏が補筆しているという、なんとも強引な(ある意味楽しい)発売の仕方をしていた。
オレも角川版を持っているが、まだ未読である。この“完全版”を読んでから読もうと思っていたのである。
で、作品であるが、『八つ墓村』の事件を解決したあと、帰る挨拶かたがた岡山県警に立ち寄った時にぶつかったのが、この『死仮面』事件なのだった。
金田一さんが後年の作品よりも、より金田一さんらしさを見せてくれる。すなわち、頭をボリボリ掻く(フケが飛ぶ描写も細かく書かれている)、ドモリが凄い。
事件がハッピーエンドで締めくくられるのがよかった。

『鴉』
初出:「オール読物」昭和26年7月号
この作品は以前角川文庫『幽霊座』に併録されていたので再読ということになる。
さすがに二度目ともなると、犯人も動機もわかるぞ(笑)
それにしても、静養目的で岡山を訪れた金田一さんを、強引に事件に引きずり込む磯川警部は押しが強い。
(2009.6.8読了)

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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筒涸屋

Author:筒涸屋
札幌市出身・在住
戌年 射手座 B型 
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好きな言葉:小春日和
2008.3.6開設

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