山口仲美 『すらすら読める枕草子』

2008.09.29(23:50)

山口仲美著 『すらすら読める枕草子』(講談社/2008年刊) を読む。
すらすら読める枕草子
現代にも共通する大切なことは、みな、清少納言が書き留めていた。
忍ぶ仲のマナー 人としてのエチケット 他を思いやり感動する心
現在にも通用する普遍的な側面に注目して読み解く枕草子。


学生時代以来、久しぶりに枕草子を読んだ(かいつまんでだけど)。
年とって思うことは・・・結局貴族目線で語られている随筆なのでずいぶん鼻につく(笑)
好きな事柄、嫌いな事柄を言い切っちゃうところは、さすが清少納言ってところなんだろうか。
ブサイクな男と女はそれを意識して行動しなさいというところはオレと意見が合った。

現代語訳はかなり口語に近づけていて好感が持てたが、いまだに「をかし」を「趣がある」と訳している部分があった。日常会話で「おもむきがあるねえ」などと言う人いるのかなあ?もっと大胆に訳してくれてもいいように思うぞ。古典研究の学者さんにはもっといい仕事してもらって、古典をもっと身近にして欲しいよね。がんばってください。
(2008.9.29読了)

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
スポンサーサイト

北森鴻 『なぜ絵版師に頼まなかったのか』

2008.09.26(00:18)

北森鴻著 『なぜ絵版師に頼まなかったのか 明治異国助人奔る!』(光文社/2008年刊) を読む。
なぜ絵版師に頼まなかったのか
変革の嵐が吹き荒れる、明治年間の帝都。帝国大学には多くの雇われ外国人が教師・研究者として赴任していた。
エルウィン・フォン・ベルツ先生もその一人。並はずれた日本びいきで知られるベルツ先生と、その一番弟子・葛城冬馬が、次々にあらわれる新時代の事件に挑む!


著者の作品を読むのは初めて。軽妙な文章でなかなか好みな感じ。
文明開化の明治初期が舞台なのも嬉しい。風景描写も細かいので、イメージしやすい。
この作品は連作短篇集で、主人公の葛城冬馬が一話ごとに少年から青年へと成長、それとともに世の中の変化も感じ取れる。
ベルツ先生の日本びいきぶりは度が過ぎているが、どの国の人も違う国のことを好きになったらこんな感じになるのかもね。その国の人にしてみたらトンチンカンに思うような。

表題作のタイトルがいいねえ。このダジャレを思いついたとき、著者は嬉しかっただろうなあ。これ以外のタイトルはあんま良くないけど。
舞台設定に主眼を置いた、こういうミステリはオレの好むところで、北森氏のファンになってしまった。これでまた一人文庫本収集の対象が増えてしまい、痛し痒しなのではあるが・・・
(2008.9.23読了)

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

神仏霊場会

2008.09.20(16:40)

伊勢神宮のほか、延暦寺、東大寺、石清水八幡宮など近畿の150社寺でつくる「神仏霊場会」(会長・森本公誠東大寺長老)は8日、三重県伊勢市の皇学館大で式典を開き、会の発足を祝った。神職と僧侶が共に神仏をまつり、拝もうと、祝詞の奏上に続いて般若心経が唱えられた。

 式典後に、近くの伊勢神宮の内宮にそろって参拝。正装した宮司や住職ら約220人が五十鈴川に架かる宇治橋を渡り、社殿に向かった。

 神仏霊場会は、神と仏が和合してきた明治維新前の信仰の再興を目指し、伊勢神宮と150の社寺を結ぶ新たな巡拝の道を提唱している。

(9月8日 asahi.com の記事より引用)

なんでも伊勢神宮をスタートとして和歌山、奈良、大阪、兵庫、京都、滋賀の各府県の神社・仏閣を巡るコースとのこと。
公式ガイドブックやご朱印帳も販売されている。
なんといっても150ヶ所はスケールが大きい。
全霊場を巡ってご朱印をコンプリートした時の達成感は格別であろうなあ。

余生の目標が決まった(笑)

萩原健一 『ショーケン』

2008.09.18(20:09)

萩原健一著 『ショーケン』(講談社/2008年刊) を読む。
ショーケン
ショーケンが57年の人生すべてをさらけだした!
愛と別れ、友情と確執、喧騒と孤独。過剰な本能が周囲を引きつけ、自らをも壊していく。
傷だらけの天才、ショーケンの真実―


興味深く読んだのは『太陽にほえろ!』『傷だらけの天使』の頃のエピソードと、大麻で捕まった時のエピソード。『影武者』のエピソードも面白かった。
『ブラックレイン』で松田優作がやってた役が、最初ショーケンにオファーがあったというのは知らなかった。ショーケンバージョンも観てみたかった気もする。
『透光の樹』の降板事件のあと現在まで干されてるんだね。ところでホン読みやリハーサルを面倒臭がっていたという相手役の女優って誰だったっけね?全然思い出せない。
復活する時はバンドで出てきてほしいなあ。そのあとで映画監督などやってほしいね。何となく演出家が性に合ってる気がする。もの凄く厳しい演出しそうだけど。
(2008.9.16読了)

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

第90回全国高校野球選手権記念大会総決算号

2008.09.16(08:58)

週刊ベースボール9月6日号増刊
第90回全国高校野球選手権記念大会総決算号(ベースボールマガジン社/2008.8.22発売)を購入。
週ベ増刊号
今年は記念大会だったにもかかわらず、北京五輪のおかげですっかり扱いが地味だった。
なにはともあれ大阪桐蔭高校おめでとう。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

青木満 『月の科学 「かぐや」が拓く月探査』

2008.09.11(12:29)

青木満著 『月の科学 「かぐや」が拓く月探査』(ベレ出版/2008年刊) を読む。
月の科学
アポロ計画が解明した「月」の科学はほんの一部にすぎない―
2007年9月14日の「かぐや」の打上げにより幕をあけた“月探査「第3の波」”
月探査の新しい局面を気鋭の科学ジャーナリストが直撃!


「かぐや」ってちょうど去年の今時期に打ち上げられたのね。まったく記憶にない。
私事であるが、去年のこの時期は就職活動に奔走していた(完全失業していた)し、他にも問題が多々あって周りが見えてなかったのだ。

「かぐや」の打上げにより、月探査は新たな局面に突入したようだ。「かぐや」のすぐ後に中国も月探査機を打上げたし、インドも打上げ予定あり(今年の春打上げ予定が10月に延期になってるようだ)。今後アメリカやロシアも次々と打上げるようだ。
また、アメリカはスペースシャトル計画が完了し後継機にバトンタッチするそうだし、国際宇宙ステーションも今年~来年とどんどん建設される予定だし、今世紀はいよいよ人類の宇宙進出が本格化する世紀になりそうだ。

月への進出は、本格的な火星探査への足掛かりともなる。今日泊亜蘭や光瀬龍の作品世界が到来する日も近い!と夢想しながら現実逃避して毎日オレは生きていくのだ(笑)
(2008.9.10読了)

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

星新一 『声の網』

2008.09.10(12:46)

星新一著 『声の網』(角川文庫/1985年刊) を読む。
声の網
ある時代―
電話は単なる通話の道具ではなかった。情報受取り機能。病気の受診。支払い決済等々。すべては偉大な機械文明のおかげ。
そんなある日―メロンマンション1Fの民芸品店の電話が鳴り、「まもなくそちらの店に強盗がはいる」とだけ告げて切れた。そしてそのとおり、店は強盗に襲われた。
それを契機に12Fまでの住人に次々と異様な出来事が。すべてを背後であやつる恐るべきものの正体は?


コンピューターによる社会支配を描いた物語。通常、人類が他のものに支配される近未来小説の場合、悲観的に終わるものであるが、本書では意外にハッピーエンドっぽい。
第1~11話までは、サスペンスフルな感じで、途中コンピューターが人類を支配し始めていることが明らかにされてからは、悲惨な方向にむかっていくのかなと思っていたのだが、最終話で人類は幸せに暮らしていて予想がはずれた。
物語の最後に、人類がコンピューターが支配する世界に“神”の存在を意識するくだりは、なるほどと思わせる。
(2008.9.8読了)

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

筒井康隆 『筒井順慶』

2008.09.04(12:59)

筒井康隆著 『筒井順慶』(角川文庫/1973年刊) を読む。
筒井順慶
それほど売れてないSF作家の“おれ”に週間世紀から歴史小説「筒井順慶」の注文がきた。信長を本能寺で暗殺した光秀と秀吉が対陣したとき洞ヶ峠をきめこんだあの順慶が、どうやら“おれ”の祖先らしいのだ・・・
資料集めをするうち知り合った順慶の直系子孫だという帝子、女編集者の電子とがもつれ、事件は意外な方向に!
表題作ほか『あらえっさっさ』『晋金太郎』『新宿祭』を収録。


最初から最後まで、常にドタバタしてハイテンションな印象を持った作品。作者が登場人物となり話が進んでいくが、作中で作者が書いている「筒井順慶」という歴史小説(ヤヤコシイですが)がまた、作者自身や他の登場人物が出てきたりして騒がしい。
出版社で打合せしているときに時代小説の大御所作家に出会う場面がウケる。大御所作家の名前が「柴岡僚祐」。この寄せ集め感がたまらない。
ただ、最後の最後、キレイに終わりすぎだなあ。ドタバタしたまま終結してくれたほうが面白かったのに。
(2008.9.2読了)

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

横田順彌 『小惑星帯遊侠伝』

2008.09.02(18:04)

横田順彌著 『小惑星帯遊侠伝』(徳間文庫/1990年刊) を読む。
小惑星帯遊侠伝
光輝3年、火星に生まれた真継龍一郎は8歳で両親を失い孤児に。養父母になってくれたのは小惑星帯の任侠集団寺島組の組長夫妻。我が子のように愛されて育った龍一郎は、26歳の時、組主催の賭場で起きた殺人事件の身代わりとなり、流刑星タイタン送りとなる。10年後、刑を了えた龍一郎を待っていたのは組長の訃報だった・・・

任侠映画のエッセンスとSFを組み合わせた娯楽作。
任侠映画の世界観をそのまま宇宙に当てはめて描かれているので、話の内容的にはハードというかシリアスな感じなのだが、全体をユーモア感が包んでいる。
これってヨコジュン氏の資質だよねえ。ナンセンスのためのナンセンス。ここまで徹底してくれるのは爽快である。
「SFを知りすぎた男」と評されるヨコジュン氏だけに、ちょっとしたアイテムにも宇宙SFらしい名称にしてあったりして、とても楽しい。
(2008.8.28読了)

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

エラリイ・クイーン 『三角形の第四辺』

2008.09.01(18:04)

エラリイ・クイーン著 青田勝訳 『三角形の第四辺』(ハヤカワ文庫/1979年刊)【THE FOURTH SIDE OF THE TRIANGLE:1965】 を読む。
三角形の第四辺
売り出し中の作家デイン・マッケルは、厳格な大実業家の父に女ができたという母の打明け話にわが耳を疑った。
デインは父の浮気をやめさせるため、問題の女シーラに近づく。ところがデートを重ねるうち、デインはシーラの魅力の虜となってしまう。そんな矢先、シーラが自宅で何者かに射殺された!
男女の愛憎のもつれが引き起こした難事件に挑んだクイーンが苦慮熟考ののちに探り当てた意外な手掛かりとは?


今回のクイーンは骨折のため入院しており、いわゆる安楽椅子探偵として事件に挑んでいる。それはそれで面白かったのだが、いかんせん出番が少ないので、あまり活躍した印象がない。しかも、登場場面が少ないにもかかわらず一度間違えるし(笑)
なにせ第一章はマッケル家の人々と、被害者のシーラしか登場しないし、犯罪が起きるまでグダグダした話が続くばかりで、読むのが途中でイヤになった。さすがにクイーンが登場したあとはスピード感がでてきたけど。
この作品、ミステリマニアの人ならすぐ犯人当てちゃうと思うよ。オレはいつものように最後にやっと解ったけど。
どうも60年代の作品は気の抜けた感じがするなあ。そういや、クイーンの家の場面にジューナが登場しなかったのだが、彼は独立してしまったのだろうか?脇のレギュラーが好きなオレはちょっとがっかり。
(2008.8.27読了)

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

2008年09月

  1. 山口仲美 『すらすら読める枕草子』(09/29)
  2. 北森鴻 『なぜ絵版師に頼まなかったのか』(09/26)
  3. 神仏霊場会(09/20)
  4. 萩原健一 『ショーケン』(09/18)
  5. 第90回全国高校野球選手権記念大会総決算号(09/16)
  6. 青木満 『月の科学 「かぐや」が拓く月探査』(09/11)
  7. 星新一 『声の網』(09/10)
  8. 筒井康隆 『筒井順慶』(09/04)
  9. 横田順彌 『小惑星帯遊侠伝』(09/02)
  10. エラリイ・クイーン 『三角形の第四辺』(09/01)