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筒井康隆 『おれに関する噂』

筒井康隆 著 おれに関する噂(新潮文庫/1978年刊) を読む。

テレビニュース・アナが、出し抜けにおれのことを喋り始めたーーー
「森下ツトムさんは今日、タイピストをお茶に誘いましたが、断られてしまいました」。
続いて、新聞が、週刊誌が、おれの噂を書きたてる。
なぜ平凡なサラリーマンであるおれのことを、マスコミは騒ぎ立てるのか?
黒い笑いに満ちた表題作ほか、あなたを狂気に誘う11篇。


本作品集は、1972 ~74年にかけて小説新潮やオール読物や小説現代などに掲載された話を収録している。
なので、ガッチガチのSFというよりは、ホラーっぽい話や不条理系な感じの作品群となっている。

表題作の『おれに関する噂』はマスコミの在り方について批評しているが、マスコミの体質というのは本作品が発表された時代から今になっても変わらずゲスいのは、直しようが無くそういう業界なのだろう。

『だばだば杉』は夢を見て、夢と現実がごっちゃになる話。
夢がテーマの話をするならまさしくこうあるべきという、肉欲全開な話。
筒井康隆はいつの時代も筒井康隆なのがとても嬉しい。
(2016.3.17読了)

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テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

安部公房 『壁』

安部公房 著 (新潮文庫/1969年刊) を読む。

ある朝突然自分の名前を喪失してしまった男。
以来、彼は慣習に塗り固められた現実での存在感を失った。
自らの帰属すべき場所を持たぬ彼の眼には、現実が奇怪な不条理の塊とうつる。
他人との接触に支障をきたし、マネキン人形やラクダに奇妙な愛情を抱く。
そして……


目次を見ると三部構成になっているが、内容はそれぞれに独立した作品。

第一部 S・カルマ氏の犯罪
ある朝、目が覚めると自分の名前を失ったことに気づく主人公。
恐る恐る会社に出勤してみると、名刺が自分になりすまして仕事していた…
なんと不条理な、というか不条理という言葉で済ませていいのかというくらい、このあとヘンテコな話が展開される。
話の進み方がアドリブ的で、まったく予想がつかないのが非常に楽しい。
読んだ印象は「ドタバタの薄い筒井康隆」。
筒井氏のようなギャグが入ってこない分、ドタバタ騒がしくない。
主人公は目の前の出来事に対して抵抗しないわけではないけれど、流されていく感じ。
そういうエピソードがあまりドギツくなく続いていくので、最後は実はエグい終わり方するのだが心静かに読み終えてしまう。

世代順に言うと、筒井氏の不条理系作品のことを「ドタバタした安部公房」と評すべきではあるか。
こういう突拍子もない作品を読むと、作者はどういう気分や様子で執筆しているのかというのが気になってしまう。


第二部 バベルの塔の狸
詩人の妄想世界冒険譚。
まあ色々抽象的なことが書かれているので、ああでもないこうでもないという解釈はあるのだろうが、オレとしてはこの詩人が、女性の脚が大好きというのに共感を覚えた話であった。


第三部 赤い繭
“壁”を感じるショートショート4篇。
いわゆる「壁」そのものが登場する話もあれば、比喩的な意味で表される話もあり。
液体人間とか、描いたものが現物になるチョークなど、SFマインドに溢れるショートショート群で、楽しく読んだ。
人肉ソーセージ製造工場の話は気持ち悪かった。
(2015.10.15読了)

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テーマ : SF
ジャンル : 本・雑誌

筒井康隆 『敵』

筒井康隆 著 (新潮文庫/2000年刊) を読む。
敵
渡辺儀助75歳。大学教授の職を辞し10年。
愛妻にも先立たれ、余生を勘定しつつ、ひとり悠々自適の生活を営んでいる。
料理にこだわり、晩酌を楽しみ、時には酒場にも足を運ぶ。
ある日、パソコン通信の画面にメッセージが流れる。「敵です。皆が逃げはじめています---」
「敵」とは何者か?いつ、どのようにしてやってくるのか……?


主人公の渡辺儀助という人物は、割とこまいと言うか、キチキチした性格のようで、食事をはじめ生活全般に渡り、こまごまと自分の取り決めに沿って生活している。
オレだったら食事はその時その時で思い立ったものを食うと思う。

興味深かったのは、儀助爺さん、75歳にしていまだ性欲があり、ヤリたいと思っている女性がいたり、自慰をしたりというところ。
オレは何歳くらいまで性欲があるのだろうかと考え込んでしまった。何歳くらいまでフーゾクに行く気力があるだろうか。気力があっても財力があるだろうか。

渡辺儀助はボケたくないと思い生活しているが、物語の後半にいくにつれ、ボケていっているのではないかと思われる展開になっていく。
っていうか最初からボケてたんじゃないかと思われるような雰囲気もある。
このへんは読んだ人それぞれに感想は違ってくるだろう。
オレ自身は恐らくボケるであろうと自分で思っていて、家族にはボケたらどのように扱っても構わない旨は伝えてある。

まだまだ老後は先のことだと思ってはいるものの、もうすでに、時が経つスピード感は子供の頃と比べてマッハな年代になっているので、気づいたら老人になっちゃってんだろうなあ。地味にそれには恐怖を感じている。
(2014.1.22読了)

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テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

清水義範 『秘湯中の秘湯』

清水義範 著 秘湯中の秘湯(新潮文庫/1993年刊) を読む。
秘湯中の秘湯
北海道の骨壷温泉、宮城県の死急温泉、名古屋の繁華街にある恥曝温泉など、絶対に行けない、本当の秘湯だけをガイドした表題作『秘湯中の秘湯』。
あきれるほど何も知らない女子大生の無知を描く『非常識テスト』。
他に、何回読んでもさっぱりわからない機械の取扱説明書や、うんざりするほど詳しくて長い手紙など、身近な言葉の面白さに注目した爆笑小説全11篇。


秘湯中の秘湯
全国各地にある秘湯を紹介するガイドブック(の体で書かれたウソ小説)。
こういうのは著者の真骨頂だよねえ。
効能が、のびのびした気分とか、機敏性を養うとか、ふやけるなど、バカバカしいのがとてもよい。

非常識テスト
女子大生に常識テストをした話。
出題に対してどうボケるかが、この手の小説の面白みであるが、少々考えすぎな部分あり。
ただ、下ネタ解答は安定してウケる。

取扱説明書
電化製品などの取扱説明書をおもいっきり揶揄した作品。
もうほんと、ああいう説明書ってわけが分からないよねえ。
理系の人間が書く文章は、文系の人間には理解できないと、いつも思っている。

只今会議中
社内会議、学級会、村おこし会議、作戦会議のありさまを描写した話。
考えてみれば、小学校の学級会から始まって、会社員になってからの会議まで、この小説のように不毛な時間を過ごした経験は数多い。
結局子供の頃と、大人になってからで、会議の雰囲気ってあまり変わらない気がする。
(2013.4.8読了)

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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

高橋克彦 『鬼九郎鬼草子』

高橋克彦 著 鬼九郎鬼草子 舫鬼九郎第二部(新潮文庫/1998年刊) を読む。
鬼九郎鬼草子
根来忍者の頭領・左甚五郎を追って鬼九郎たちは会津へと向かった。
時を同じくして、幕府内部では会津藩にまつわる陰謀が噂されていた。
これらの動きにどんな関係があるのか?
事態の全容がつかめぬ間にも、甚五郎の放った根来傀儡衆が次々と眼前に立ちはだかる。
鬼九郎の剣と幻戯の術、軍配は果してどちらに上がるのか・・・・・・
おなじみのキャラクターたちが縦横無尽に活躍するシリーズ第2弾!


時代小説のオールスター戦のようなこのシリーズ。
主人公・舫鬼九郎の側のキャストは幡随院長兵衛、天竺徳兵衛、高尾太夫に我らが柳生十兵衛。
そして南光坊天海。
敵側として、根来乱波を率いる左甚五郎に由比正雪。
登場人物がみんな主役を張れる人ばかりなので、オリジナルキャラの鬼九郎の存在感がいささか薄い感さえある。

今回は会津騒動にからめた物語。
堀主水の処刑後、加藤氏改易への間の、会津藩の不穏な動きに巻き込まれる鬼九郎たちの活躍!

歴史のスキをついて血湧き肉踊る話を創るというのは、伝奇小説の大きな魅力。
主人公の鬼九郎もそこそこカッコいいのだが、やはりオレとしては柳生十兵衛の活躍が嬉しい。
根来忍びと鬼九郎たちの闘いもスリリングで面白かった。
(2012.5.26読了)

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テーマ : 歴史・時代小説
ジャンル : 本・雑誌

荒山徹 『十兵衛両断』

荒山徹 著 十兵衛両断(新潮文庫/2005年刊) を読む。
十兵衛両断
十兵衛、三度死す―― 徳川家光の治世、兵法師範役・大和柳生家を朝鮮から到来した陰謀が襲う。
韓人の呪術に陥れられ、強靭な肉体を失った一代の麒麟児。
復讐の鬼と化した十兵衛は、流浪の末、もうひとつの新陰流に遭遇する。
太閤秀吉、さらには二代将軍秀忠の命さえ狙ってきた韓人たちとの間に、柳生一族はいかなる因縁を秘していたか。
戦国の世からつづく怨念に、死闘が終止符を打つ!


五篇からなる連作短篇集。柳生ファンにはたまらない、柳生家のスター達の競演!

十兵衛両断』は、朝鮮妖術師・柳三厳の妖術で十兵衛と柳三厳の魂が入れ替わってしまうという、のっけからファンタジックな話。
柳三厳の肉体を、剣士の体にするために、10年かけて修行する十兵衛。
わけあって鍋島藩領で修行に入るのだが、師として山田浮月斎が登場!カッコいい!!
修行を終えた頃、なぜだか見た目が十兵衛に戻ってる(笑)
一方、柳三厳は朝鮮にて十兵衛の肉体を駆使し政敵をやっつけたりしてるうち、「我こそは本物の柳生十兵衛なり」と勘違いな男になっていく。
なんやかやあって、二人は家光の前で上覧試合をすることになるのだが、最後の場面はイマイチ迫力がなかった。
この話、宗矩が珍しく役に立たない親父だったのが印象的だった。

柳生外道剣』は将軍が秀忠の時代。
柳生新陰流の流祖・柳生石舟斎が、すでに死んだはずの師匠・神泉伊勢守と対決!
その立会いを目撃するのは柳生兵庫助
それぞれ主人公を張れるビッグネームばかり。クラクラするなり。
この話も宗矩の存在がいまいち薄かった。

陰陽師・坂崎出羽守』は、大坂夏の陣の翌年が舞台。
この話でようやく宗矩とーさん、抜群の剣さばきを披露。
実は韓人妖術師である、坂崎出羽守の妖術で生み出されたレプリカント宗矩と闘う。
オリジナルとコピーとはいえ、宗矩同士の対決なので、勝負がつかない。
ここで登場するのは暦職家の幸徳井家に養子に入った柳生友景
陰陽師にして柳生新陰流の達人、魔法剣士じゃん!
レプリカント宗矩は3体いて、そのうち1体は陰陽道の術でやっつけるのだが、残り2体は普通に剣でやっつける。
それを見ていたオリジナルの宗矩とっつぁん、死人の如く蒼ざめたってさ。
どうもこの作品集内の宗矩、表情が顔に出すぎ。

太閤呪殺陣』では、秀吉を暗殺しようと目論む朝鮮妖術師に呼び出されて、崇徳上皇の怨霊が出てくる。
それを阻止しようとする石舟斎、友景。
柳生一族強し!

剣法正宗遡源』は、『十兵衛両断』の後日談。
剣術のことには触れられず、温厚篤実が取り柄などと、どの作家が書いてもいまいち扱いが低い柳生宗冬(笑)
この話に登場する柳生六丸が超凛々しくててカッコいい。

柳生一族どんだけ人材豊富なんだってくらい、次から次にいろんな人物が登場して、非常に面白かった。
(2011.12.14読了)

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テーマ : 歴史・時代小説
ジャンル : 本・雑誌

小林信彦 『喜劇人に花束を』

小林信彦 著 『喜劇人に花束を』(新潮文庫/1996年刊) を読む。
喜劇人に花束を
ジャズから出発してジャンルを超えたTV時代のスーパースター・植木等と、
関西新派の家に生まれて舞台一筋に生きた名優・藤山寛美。
東京と大阪、モダンと土着、すべてに対照的ながら、戦後日本に傑出した二人の喜劇人。
そして“最後の喜劇人”ともいうべき伊東四朗。
人気稼業に不可避な、人生の浮沈と時代相を背景に、豊富なエピソードとともにその芸と素顔を活写する。


クレイジーキャッツ全盛期にはオレはまだ生まれてないので、
どれだけ凄かったのかは知る由も無いのだが、
こういう本などで読んだりすると、リアルタイムで体験したかったようにも思う。
そういやクレイジー映画を一本も観たことがない!
『ニッポン無責任時代』くらいは観とかなくては。

藤山寛美もほとんど記憶がない。
小学校に入るか入らないかの頃、テレビで松竹新喜劇の舞台中継を観たような気はする。
で、本を読むとすごいね。まさに命がけです。
いろいろドロドロしたエピソードが紹介されているが、
興味本位に読んでる立場からするとすっげえ面白いが、
もし自分が当事者としてこの中にいたとしたらと考えるととても怖い。

伊東四朗は“ベンジャミン伊東”の頃から知ってるなあ。
「電線音頭」はほんと流行ったよね。
「タフマン」「白子のり」のCMも懐かしい。
「ザ・チャンス」もけっこう見てた。
最近では「IQサプリ」「伊東家の食卓」か。
この本に書いてあって思い出したけど、三宅裕司と一緒にやってた「いい加減にします!」は面白かった。
(2011.8.4読了)

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テーマ : ノンフィクション
ジャンル : 本・雑誌

小林信彦 『紳士同盟ふたたび』

小林信彦 著 『紳士同盟ふたたび』(新潮文庫/1986年刊) を読む。
紳士同盟ふたたび
あのコンゲーム集団〈紳士同盟〉が帰ってきた!
暴力や殺人で金を奪おうとするのはもう古い。
今の世の中、頭脳こそ、腕力や凶器以上の武器なのだ。
被害者に被害にあっていると思わせない機智と品格を備えた犯罪、それがコンゲームだ。
今度の目標は総額2億3千万円、東京・NYを股にかけ、大胆かつ緻密なトリックを仕掛けるが・・・


初出:週刊サンケイ(1983・9・29号~1984・4・26号)
物語は前作『紳士同盟』の時から3年後。
TV局から独立して制作プロダクションをやってる寺尾と、
芸能事務所をやってる旗本の二人が、どちらも社員の使い込みに遭い、
金を作るために詐欺の師匠・長島老人と組んでコンゲームを仕掛ける。

今回は三度に渡り2億3千万を掠め取る作戦が実行されるのだが、
以前に経験があるので、わりと手際よく遂行された感じがした。
特に、欠落した映画フィルムを復元し、「完全版」と称するものを、
映画マニアに売る作戦は面白かった。
終戦直後あたりの時代背景のウンチクが非常によかった。

この作品は1983~84年の主に東京が舞台となっているが、
当時の東京(というか日本)の雰囲気がよく描写されているようだ。
オレは当時中学生だったので、「まさしくこうだった」なんて言えないけど、
まあ今にして思う時代のイメージってことだろうねえ。
今よりは確実に浮かれてた気がする。
(2011.1.29読了)

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テーマ : 読書ノウト
ジャンル : 本・雑誌

筒井康隆 『笑うな』

筒井康隆 著 『笑うな』(新潮文庫/1980年刊) を読む。
笑うな
タイムマシンを発明して、直前に起こった出来事を眺めるというユニークな発想の『笑うな』
夫の目の前で妻を強姦する制服警官のニューロイックな心理『傷ついたのは誰の心』
空飛ぶ円盤と遭遇したSF作家の狼狽ぶりをシニカルに捉えた『ベムたちの消えた夜』
など、スラップスティックでブラックな味のショートショート34篇。


この作品集は、全体の傾向から言うと、ギャグが少なめな印象を受けた。
社会批評的なものやシュールな感じの、わりと硬派な作品が多かった気がする。

一番気に入った作品は『座敷ぼっこ』。
民話を、そのまま現代に舞台設定したような内容。
作品の雰囲気がとてもよかった。

産気』は落語。
男が妊娠するという状況設定で、おなかの赤ちゃんが育っていく過程の
いろいろな騒動が楽しい。
サゲはちょっとありきたりかな。

ベムたちの消えた夜』は宇宙人と出会ってしまったSF作家を描く。
宇宙人と会見したなどと言ったら、普通の人でさえ白眼視されるのに、
ましてSF作家がそんなことを言ったら売名行為だなどと言われてしまう・・・
といったような苦悩をするのが面白い。
(2011.1.24読了)

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テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

諸田玲子 『お鳥見女房』

諸田玲子著 『お鳥見女房』(新潮文庫/2005年刊) を読む。
お鳥見女房
将軍の鷹狩りの下準備をするお鳥見役には、幕府の密偵という裏の役割があった。
江戸郊外、雑司ヶ谷の組屋敷に暮らす御家人・矢島家は、当主が任務のため旅立ち、留守宅を女房・珠世が切り盛りしている。
そんな屋敷にある日、子だくさんの浪人者が押しかけてきて・・・
さまざまな難題を、持ち前の明るさと機転で解決していく珠世の笑顔と大家族の情愛に心やすらぐ、人気シリーズ第一作。


御家人のカミさんが主人公の連作短篇。
珠世の身の周りに起こる出来事を綴るホームドラマのような作品。
珠世の性格が朗らかで、何事も前向きにとらえる人に描かれているので、明るさが漂う作品に仕上がっている。
第1話で、敵持ちの浪人・石塚源太夫と、その浪人を討とうとする娘・沢井多津が、ひょんなことから矢島家に居候としてやっかいになるのだが、これがなかなか面白い。
その後、話が進んでいくにつれ、娘が浪人に惚れていく様子がいい。

合間にちょいちょい紹介されるお鳥見役の仕事内容は、なかなか大変そうだ。
矢島家の主である伴之助は、入り婿の悲しさか(笑)、ほとんどストーリーに絡んでこず、途中でお役目のために沼津藩へ出張していなくなってしまう。
お鳥見役は隠密廻りの役目もあるという設定なので、ここらへんの油っこい話は次巻に出てくるのだろう。

その他、源太夫の5人の子ども達が微笑ましかったり、矢島家の人々の仕事や恋愛エピソードなど読みどころが多く、物語の構成もテレビのホームドラマのような雰囲気だ。
次巻以降に期待を持たせるシリーズ第1巻であった。
(2010.9.18読了)

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テーマ : 歴史・時代小説
ジャンル : 本・雑誌

山本一力 『いっぽん桜』

山本一力著 『いっぽん桜』(新潮文庫/2005年刊) を読む。
いっぽん桜
仕事ひと筋で、娘に構ってやれずにきた。せめて嫁ぐまでの数年、娘と存分に花見がしたい。密かな願いを込めて庭に植えた一本の桜はしかし、毎年咲く桜ではなかった。そこへ突然に訪れた、早すぎる「定年」・・・
陽春の光そそぐ桜、土佐湾の風に揺れる萩、立春のいまだ冷たい空気に佇む忍冬、まっすぐな真夏の光のもとに咲き誇る朝顔。
花にあふれる人情を託した四つの物語。


「いっぽん桜」
主人公のおっさんのような、「前いた会社では・・・」式の、妙なプライドのある人っているよねえ。
この話では、洪水をきっかけにして、その変なこだわりを克服することができたのだが、いかにも小説らしい出来すぎた感じに思えてしまった。

「萩ゆれて」
著者の地元、土佐が舞台の人情話。
武士を捨て、漁師~魚屋へと転職する男の話であるが、妹や嫁、嫁の家族など、周りがいいひとばっかりなのが胡散臭い(笑)
嫁につらく当たってた姑も、死ぬ前に心開くし。
読んでる最中は感動するのだが、読み終わるとしらけてしまうのは、オレの心が汚れているせいなのか。

「そこに、すいかずら」
お話そのものより、三千両もする雛飾りの内容がすごい。

「芒種のあさがお」
主人公のおなつがとても魅力的。
あさがお職人に嫁ぐのであるが、あさがお職人ってのは冬場は何して暮らしているのだ?
(2010.9.5読了)

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テーマ : 歴史・時代小説
ジャンル : 本・雑誌

小林信彦 『小説世界のロビンソン』

小林信彦著 『小説世界のロビンソン』(新潮文庫/1992年刊) を読む。
小説世界のロビンソン
いま、なぜ小説なのか――?
映像・音楽などさまざまなメディアの進化をつぶさに観察してきた著者が、小説との出逢いから説き起こし、その壮大な世界への旅を語る。
「少年探偵団」から「瘋癲老人日記」にいたるまで、半世紀になんなんとする読書体験は広大無辺。
幾多の名書・奇書を題材に、<小説のおもしろさ>を追い求めた足跡を熱く綴る自伝的読書案内。


著者の子供の頃からの読書体験を紹介しつつ、小説とは何か?を説き明かす本書。
いろいろ為になることが書いてあり、充実の内容だった。
この本を読んでみて、自分の小説に対する考えが小林氏にけっこう似通っていることがわかった。

特に興味深かったのは、「吾輩は猫である」と「瘋癲老人日記」についての評論。
ユーモリストとしての漱石文学の解説は面白かった。
谷崎潤一郎は読んだことがないのだが、ちょっと挑戦したくなった。

あと、本書に紹介されている小説で絶対読もうと思ったのは、
白井喬二 『富士に立つ影』
H・フィールディング 『ジョウゼフ・アンドルーズ』 『トム・ジョウンズ』
(2010.4.12読了)

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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

高橋克彦 『舫 鬼九郎』

高橋克彦著 『舫 鬼九郎』(新潮文庫/1996年刊) を読む。
舫鬼九郎
吉原近くの堀端で、若い女の全裸死体がみつかった。
首を切り落とされたうえ、背中の皮が剥がされていた。
発見現場に居合わせた町奴の幡随院長兵衛は事件の真相を探り始めるが、謎はむしろ深まるばかり。
そこへ一人の男が現れた。その男の名は舫鬼九郎。
南蛮渡来の着物を身にまとい、剣の腕はけた違い。
この男、一体何者なのか。そして事件との関係は・・・・・


やはり伝奇小説は滅法楽しい。
主人公の舫鬼九郎は作者の創造した人物だが、実在の人物もふんだんに登場。
柳生十兵衛、幡随院長兵衛、天竺徳兵衛、南光坊天海、高尾太夫。

鬼九郎側、柳生側の二方向から島原の乱の隠し財宝を追うストーリー展開にゾクゾク。
まだ敵か味方か不明な時に相対する鬼九郎と十兵衛のからみがカッコいい。
敵方として登場の根来乱波もいい味出してる。

鬼九郎が完全無欠のキャラじゃないのもいい。
読みがはずれて窮地に陥ったり、浮世離れしたことを言う天然ぶりを出したり。
ところどころに顔を出す天竺徳兵衛の飄々とした雰囲気も読者の心をつかむよねえ。

この巻では鬼九郎の正体は明かされないまま終わってしまうのだが、天海が「殿」付きで呼んでたり、新陰流の遣い手だったり、かなり身分の高い武士らしいというのが示唆されている。
次巻以降が楽しみなシリーズだ。
(2010.2.1読了)

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テーマ : 伝奇小説
ジャンル : 本・雑誌

清水義範 『ターゲット』

清水義範著 『ターゲット』(新潮文庫/2000年刊) を読む。
ターゲット
人気のない別荘を探検する子供たちに、異次元からの殺意が襲い掛かるとき、世界は反転し、意外な仕掛けが明かされる――
キング、クーンツら、名だたるホラー小説の旗手が作り出した不気味な悪夢の世界を大胆不敵にパロディ化、ノンストップの恐怖と混乱が、ホラーの定石を蹴散らしながら、奇想天外の結末になだれこむ。
全7篇収録。


『彼ら』はSFホラーで面白かった。怖くはなかったけどね。
『延溟寺の一夜』は、築600年の寺で一晩過ごすことになった男が経験する恐怖を描く。最後の場面が気持ち悪い。
『オカルト娘』はオカルトを信じる派、信じない派双方を茶化しているような作品。軽妙な文章の内に潜む反骨精神みたいなものに清水氏の特徴がよく表われていると思う。
『魔の家』は、最新家電が揃った家で老婆が経験する恐怖。わかりやすいパロディ作品で爆笑物。しかし自分が当事者だったら笑い事ですまないので、新しい電化製品はつねにチェックしなければと思う。
『乳白色の闇』は、赤ん坊目線での日常生活を描く。これも完全なパロディ作品で、笑える。
『メス』は、人間ドックにかかる男の話。病気に対する恐怖を描く。この作品の主人公のように、普段病院ぎらいな人が病院にかかると意識過剰になってしまうのはよく聞く話だ。オレは病院好きなので理解できないのだけど。
『ターゲット』はミステリーホラー。身辺に起こる理由不明のいやな事が、だんだん解き明かされる過程が不気味である。まっとうなホラー作品である。


あとがきで清水氏が述べているが、ホラー小説は官能小説と同じ文体であるそうだ。
どちらも擬態語が雰囲気を盛り上げる。
“びちょびちょ” “ぴちゃ” “ザクッ”etc.
同じ擬態語でも前後の文章によって怖く聞こえたり、いやらしく聞こえたりして、言葉って不思議。
ちなみにオレが好きな擬態語は“にゅぷ” “くちゅ” “じゅぽっ”
あれっ、これらの音ってどんな文脈でもいやらしく聞こえるなあ(笑)
(2010.1.28読了)

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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

星新一 『気まぐれ指数』

星新一著 『気まぐれ指数』(新潮文庫/1973年刊) を読む。
きまぐれ指数
びっくり箱作りのアイデアマン黒田一郎は、犯罪批評を趣味とする教養高き青年紳士。
ふとした気まぐれから自ら完全犯罪を計画し、仏像窃盗に乗り出すが、はからずも神主、未亡人、セールスレディをめぐって、てんやわんやの騒動がまき起こる・・・
ショート・ショートの第一人者星新一の、スマートでユーモアにみちた長篇コメディー。


この作品、著者が初めて書いた長篇作品だそうで、唯一の新聞連載作品でもある。
男女4人の人物が主要キャストなのであるが、女性2人がどうやら似たような性格らしく、セリフ回しがほぼ同じ(笑)。そして4人とも体言止めを多用していて、いかにも星新一文体であった。
ストーリーは軽妙で、全体的にフワフワした仕上がり。風俗描写は極力おさえているので、どこかファンタジックな雰囲気にもなっている。犯罪を行う方も、被害に遭う方も浮世離れしている感じな人たちであるのも、そういう雰囲気に拍車をかけているようだ。
物語後半の、展開が二転三転していくさまは、とても楽しい。
(2010.1.24読了)

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

小林信彦 『紳士同盟』

小林信彦著 『紳士同盟』(新潮文庫/1983年刊) を読む。
紳士同盟
インチキ臭くなければ生きていけない!
思わぬ運命の転変にめぐりあい、莫大な金を必要としたとき、四人はそう思った。目標は2億円――
素人の彼らは老詐欺師のコーチを受け、知恵を傾け、トリックを仕掛け、あの手この手で金をせしめる・・・・
奇妙な男女四人組が、人間の欲望や心理の隙、意識の空白につけこむスマートで爽快、ユーモラスな本格コン・ゲーム小説。


著者の馴染みの放送業界を舞台にした話なので、とてもリアル感があった。
この中で何度も騙される人がいるのだが、ほんとにいそうだもんなあ。
相手をダマすための事前の用意の描写が実にイキイキとしていて、「さあ騙すぞ!」という高揚感みたいなものが感じられる。
マトモに働くにしろ、詐欺を働くにしろ、労働するという点では同じことであるよなあ。
この作品読んでて思ったけど、現実の映画製作もかなり詐欺に近いような気がする。
(2009.11.27読了)

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ジャンル : 本・雑誌

星新一 『ほら男爵 現代の冒険』

星新一著 『ほら男爵 現代の冒険』(新潮文庫/1973年刊) を読む。
ほら男爵 現代の冒険
“ほら男爵”の異名を先祖に持つシュテルン・フォン・ミュンヒハウゼン男爵は育ちの良い32歳の独身男性。
祖先の執念のせいか、旅に出ると必ず奇妙な事件が待ち受けている。
愛すべきわが男爵の前に出現するのは、人魚、宇宙人、ドラキュラ伯、ミイラ男、etc.
シニカルでユーモア溢れる傑作冒険記。


基本ユーモア溢れる作品であるが、けっこう風刺が効いていた。
楽しかったのは「海へ!」「地下旅行」の二つかな。どちらもドタバタな展開で、話を広げるだけ広げて終わる内容で、オレ好みであった。

この作品集は、一篇の分量がショートショートよりも長めなのであるが、先入観というのは恐ろしいもので、いつもの星新一作品に比べて間延びしたように感じてしまう。よく読むとそんなことはないのであるが。
(2009.8.28読了)

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テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

筒井康隆 『串刺し教授』

筒井康隆著 『串刺し教授』(新潮文庫/1988年刊) を読む。
串刺し教授
崖から転落して鉄柵の尖端に串刺しにされた大学教授を目撃したガソリンスタンドの店員が最初にしたことは?
やくざが女学生の言葉で会話し、女学生が中年紳士の言葉で会話し、中年紳士が主婦の言葉で会話する・・・『言葉と〈ずれ〉』。
人間がきつねをだますドタバタ時代劇『きつねのお浜』など全17篇収録。


雑誌初出が1979年~1984年までの作品を集めた短篇集。
あの『虚航船団』執筆と時期がかぶっているのであろう、『春』『妻四態』は『虚航船団』と同じように、句読点がほとんど無く、改行もしていない。しかし、短篇なので助かった。
このスタイルについては『句点と読点』に、そういう作品を書きたい旨を述べている。
『風』は、童話チックな作品でわりと気に入った作品。
『日本古代SF考』は、発表当時(1981年)の、SF作家の文壇の中での立ち位置がわかって面白い。主要なSF作家が勢ぞろいしていて楽しい作品。
この作品集で一番のおすすめは『シナリオ・時をかける少女』。最後の知世のセリフがたまらない。
(2009.3.12読了)

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星新一 『さまざまな迷路』

星新一著 『さまざまな迷路』(新潮文庫/1983年刊) を読む。
さまざまな迷路
ある日突然、おとぎ話の主人公になりたいと、とんでもないことを言い出した王女、なぜか鬼が見えるという患者で繁盛する神経科医師、街頭で通行人相手にキャンディを売るロボットetc.
迷路のように入り組んだ人間生活のさまざまな世界を32のチャンネルに写しだし、文明社会を痛撃するショート・ショート集。


星氏の作品というのは、中高生の頃に読むのと、大人になってから読むのでは、印象がけっこう違ってたりするので、今現在中高生の人にはぜひ読んでおいてもらいたい。
今回読んだ作品集は、このたびが初読なのだが(中高生時代に読んだことあるのは実は3、4冊しか無い)、学生時代に読んでたら違った感想を持ったのであろう作品がいくつかあった。

『さまざまな迷路』に収録の作品は32作。2ページのものから10数ページのものまで長短さまざま、もちろんテーマも多彩。
気に入った作品を何作か紹介。

『重要な任務』・・・ある“組織”の二人組が、それとは知らずに昇進試験を受ける話。
プロットといい、オチといい、ありがちな話であるが、オレはこの手の話が好きなのである。
こういう話は途中の展開を楽しむタイプのものだよね。

『ことのおこり』・・・若き日のヒトラーが、ああいう人物になるきっかけとなる話。
オチがきいてる。ブラックな星作品はキレがあって好きだ。

『ベターハーフ』・・・人間が人間としか結婚しない時代から、動物と結婚するようになった時代になった話。
主人公は動物どころかコンピュータを嫁にしている。
SFの想像力を端的に表現してる作品で、こういう作品を受け入れられるかどうかが、SF好きとSF嫌いの境目になるのだろうなあ。

『発火点』・・・金に困ったレストラン店員が泥棒する打ち合わせをしているところを客に聞かれ、むりやり仲間に引き入れ・・・という話。
次々と客が来て、そのたびに仲間に引き込み、そのうち店員たちのテンションが下がってしまう。
どんどん仲間が増えていって、話が大げさになっていく過程が楽しい。
(2009.2.13読了)

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小林信彦 『唐獅子株式会社』

小林信彦著 『唐獅子株式会社』(新潮文庫/1981年刊) を読む。
唐獅子株式会社
任侠道はもう古い、ヤクザだって近代的にならねば―
大親分の号令で須磨組一家のシティ・ヤクザへの大変身が始まった。
社内報の発行を皮切りに、放送局、映画産業、音楽祭・・・と、流行の先端へ喰らい付く!
ページから溢れ出るギャグに乗せて、現代風俗から思想、文学までパロディ化した哄笑の連作短篇集。全10篇収録。


パロディ小説の最高峰。ギャグの数が多いので、それを追ってくのがたいへんであるが、分かるギャグもあるし分からないのもあった。それを、巻末解説で筒井康隆氏が丁寧に原典探索してくれているので、面白さが増加する。
パロディを追うばかりでは話が入ってこない恐れがあるが、この連作はお話自体そうとう面白いのでそういう心配はない。逆にパロディ部分を気付かずに読み進んでいってしまうほどのパワーのある作品である。
各篇も一話ごとにSFがあったり、ハードボイルドがあったりバラエティに富んでいて、いろいろなジャンルを楽しめるホントに盛りだくさんな作品であった。
オレは、ギャグのテンションがどんどん上がっていく第五話『唐獅子映画産業』がとっても面白かった。
(2008.12.17読了)

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筒井康隆 『虚航船団』

筒井康隆著 『虚航船団』(新潮文庫/1992年刊) を読む。
虚航船団
鼬族の惑星クォールの刑紀999年6月3日、国籍不明の2基の核ミサイルにより国際都市ククモが攻撃され、翌日、無数の小型単座戦闘艇に乗ったオオカマキリを従えた文房具の殺戮部隊が天空から飛来した。
それはジャコウネコのスリカタ姉妹の予言どおりの出来事だった・・・
宇宙と歴史のすべてを呑み込んだ超虚構の黙示録的世界。鬼才が放つ戦慄のメッセージ!


いやぁ~、読み終わるまで異常に日にちがかかった。なんと3週間!
9月は意外に仕事が立て込んで、コーヒーブレイクなどの時間が取れず、なかなか読む時間が無かったのが理由の第一。
大作であり難解な作品だったので読むスピードが遅かったのが理由の第二。
なおかつ改行が少ない作品なので1ページにビッシリ文字が詰まっていた。読むのにかなり骨が折れた。

文房具やイタチを擬人化して、極限状況での人の心理や、人類の歴史を映し出すというとても魅力的な作品で、読んでて飽きることは無かったのだが、我ながら本当に読むスピードが遅くて、そのことにイライラしながら読んだ。
後半の方では侵略者である文房具側のエピソードと攻撃される側のイタチのエピソードが入れ替わり立ち代わり描かれ、さらに作者である筒井氏の話なども入り混じり、混沌たる世界に読者は巻き込まれる。
書いててよく混乱しないなあと感心しつつ、自分は混乱しっぱなしで読み終えた。
(2008.10.1読了)

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梶尾真治 『未踏惑星キー・ラーゴ』

梶尾真治著 『未踏惑星キー・ラーゴ』(新潮文庫/1986年刊) を読む。
未踏惑星キー・ラーゴ

鑑定ミスから2億人もの人類が暮らす惑星が消滅してしまい、自責の念から失踪した元惑星鑑定士のセイタロ。彼が放浪の末にたどり着いたのは、少女がコンピュータやロボットたちと暮らす楽園のような惑星だった。しかしこの緑の星にも鑑定士が現れた。もし居住可能と鑑定されれば乱開発は必至。楽園を守ろうと、鑑定をごまかすためのペテン作戦が始まった。書下ろし長篇。

以前、カジシンの長篇は短篇に比べてつまらないという内容の感想を述べたことがあるのだが一部訂正。
カジシンの長篇は、書下ろし作品は滅法おもしろい!
伏線が終盤になってきちんと処理されるところや、どんでん返しが続いて読者を飽きさせないところ、またキャラクター設定などに書下ろしならではのキメの細かい筆運びが感じられ、とても良かった。
解説の小松左京氏も述べているように、物語としてはハードな設定にもかかわらず、ほのぼのとした雰囲気でストーリー進行していくのはカジシンの真骨頂といえるのであろうなあ。
ところどころでちりばめられているパロディ要素は解るのもあったし解らんのもあったが、解らなくても話自体面白いので安心して読める。
(2008.2.6読了)
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筒涸屋

Author:筒涸屋
札幌市出身・在住
戌年 射手座 B型 
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好きな言葉:小春日和
2008.3.6開設

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