田中啓文 『蠅の王』

田中啓文 著 蠅の王(角川ホラー文庫/2008年刊) を読む。

ある遺跡で無数の赤子の骨と、一つの壺が発見された。
その封印が解かれたとき、人類は未曾有の危機を迎えた。
突如、東京では児童殺人が頻発し、そこには必ず虫が大量発生する怪現象が・・・
その最中、ひとりの少女が実に覚えのない妊娠をした。
頭の中では、自分の子を産み〈ベルゼブブ〉からこの世を救えという声が響きわたる…


起承転結のうち、起~承の進み具合がいやにもったりして、なかなか読書がはかどらなかった。
それに、大人になってからめっきり苦手になった(蛾は子どもの時からだが)昆虫がふんだんに登場する物語だったので、気色悪くて。
大量の蛾が鱗粉を撒き散らし、人びとの皮膚を腫らしたり爛れさしたりする場面を読んだときは、オレも身体が痒くなった。
著者ならではの、執拗でネチっこい表現は本当に気持ち悪い。

ヨハネの黙示録、隠れキリシタン、昆虫宇宙飛来説、新興宗教、悪魔崇拝など、「月刊ムー」の特集記事的な話題満載で、物語の後半になるとテンポがよくなりスムーズに読み進めることができた。

田中啓文氏は、いろんなものの種類を羅列するのが好きな作家で、オレはそれを読むのが好きな読者なのだが、今作品では、昆虫の種類や隠れキリシタンへの拷問の種類を、腹立たしくなるほど羅列していて面白かった。

出てきた昆虫の種類の一部に、カミココガネ、コウテイカブト、ライオンコブムシ、ドウクツツチハンミョウ、ヒトダマコオロギ…ってのがあったが、仮面ライダーに登場する怪人みたいでカッコいい。
どっちかというとV3に出てきそうか。
(2014.11.13読了)

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北野勇作 『ハグルマ』

北野勇作 著 ハグルマ(角川ホラー文庫/2003年刊) を読む。
ハグルマ
男がテストプレイを頼まれたゲーム。
それはとてつもなく生々しくリアルなものだった。
ゲーム世界にのめり込んでいくに従い、現実との境目がどんどん曖昧になっていく男。
彼の中で、何かが徐々に狂い始めていた。
時を同じくして、男の妻が怪しげな会合に参加するように。
ゲーム、謎の団体……全てに関わる「ハグルマ」とは!?


何か色々とわけがわからない感じで、不気味な物語であった。
現実世界とゲーム世界が混じり合って、どっちが現実なのか分からなくなっていく主人公。
だが読んでるこちらも、どっちがどうなのかよく分からなくなる。
リアルな怖さではなく、不条理な世界観の中での怖さで、常にフワフワした不安感を持ったまま読んでるので、意外と読んでて疲れる作品であった。
(2013.12.17読了)

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田中啓文 『水霊 ミズチ』

田中啓文著 『水霊 ミズチ』(角川ホラー文庫/1998年刊) を読む。
水霊
《平成日本の百名水》・・・神社の遺跡から湧き出た水を商品化する過疎村の村興し事業の目玉企画だった。
ところがその計画に携わる者が、人間離れした食欲をしめした後、痩せ衰えて死亡する怪事件が発生する。
湧き水と事件との関連性を指摘する民俗学者・杜川己一郎は、遺跡の調査を進めるにしたがい、疑念を確証へと近づけていく。


この作品は怖かった。
水を飲むと、地獄に住む餓鬼のようになって死んでしまうというのがいやだねえ。
グロい描写も気持ち悪いし。擬音使いがうまい作者なのでほんと気持ち悪い。
古事記をネタにしたストーリー展開は味があってよかった。
でもどうして、主人公なのにこんな腹立つ人間なのだ、杜川己一郎。
わがままだし、嘘つきだし、ロリコンだし。
映画化された時、主人公じゃなかったのもうなずける。
(2009.7.3読了)

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筒涸屋

Author:筒涸屋
札幌市出身・在住
戌年 射手座 B型 
右投右打 右四つ
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2008.3.6開設

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