ジョルジュ・シムノン 『メグレと火曜の朝の訪問者』

ジョルジュ・シムノン著 谷亀利一訳 『メグレと火曜の朝の訪問者』(河出文庫/1983年刊)【LES SCRUPULES DE MAIGRET】 を読む。
メグレと火曜の朝の訪問者

百貨店の玩具売場主任であるその男は、わざわざメグレを訪ねてきながら、話なかばで立ち去ってしまった。妻が自分を殺そうとたくらんでいる、毒薬を多量に所持していると男は告げていったが、その態度には常軌を逸した点がなくもない。メグレはひそかに男の身辺調査を開始。夫婦に義理の妹が加わった三人の家庭生活に隠されたものとは・・・?

異色作。
まあ、メグレ物はたいがい異色作なので、それ自体はそんなに驚くことではないけど、犯罪が起こる前にメグレが関わって、物語の最終盤にようやく犯罪が起きるというのは、やっぱり異色作としかいい様がない。
正月明けで束の間のヒマな期間が訪れたある朝、メグレに面会を求めてやって来た男。午後にはその妻が面会に。人物描写も巧みだし、メグレの尋問テクニックも興味深いものがあり、スイスイ読んでしまう。
メグレが夫人を思いやる場面もよい。初めて腕を組んで歩いたときのエピソードを挿入したりするところ、著者の筆使いも心憎い。
結局のところ、犯罪が起こるのだが、犯罪が起こる前にメグレが事件に関わるという斬新なところが魅力的な作品である。
どうせなら最後まで犯罪が起こらず、「なんのこっちゃ」的な話にしても面白かったかもね(笑)
(2008.7.11読了)

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
スポンサーサイト

テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

     

ジョルジュ・シムノン 『モンマルトルのメグレ』

ジョルジュ・シムノン著 矢野浩三郎訳『モンマルトルのメグレ』(河出文庫/1982年刊)【MAIGRET AU “PICRATT'S”】 を読む。
モンマルトルのメグレ

酔っぱらって警察に現れた踊り子アルレットが話したことは出鱈目ではなかった―彼女は自宅で絞殺死体となって発見、彼女が殺されると予告した伯爵夫人も同じ手口で・・・
彼女が口にしたオスカルとは何者か。アルレット-オスカル-伯爵夫人を結ぶ線は?モンマルトルを舞台に、司法警察の捜査網は謎の男オスカルを追い詰めていく・・・


メグレ物はたいていそうだが、この作品も、いわゆる犯人探しをする推理小説ではない。
だけど何でこんなに面白いんだろうね。言ってみれば、ただ単にメグレ警視以下みんな普通に捜査活動をしているだけ。それなのにスリリングで、読み始めると止まらない。
今作品の季節は冬なのだが、その情景描写が(特別飾った文章ではないのだが)リアルに感じられるんだよね。

あと、毎度おなじみの酒。今回チェックしながら読んでみた。
①ブランデー~キャバレー・ピクラッツ(今作品の主要舞台)にて
②生ビール~ビアホール・ドフィーヌにて(ジャンヴィエ刑事と)
③カルヴァドス~ドゥエ街のカフェにて
④ブランデー、シャンパン~ピクラッツにて
⑤生ビール~ドフィーヌの出前、オフィスにて←トランス刑事の分を横取り
⑥生ビール2杯~聞き込み途中に
⑦ブランデー~ドフィーヌにて
⑧ブランデー数杯~ピクラッツにて
あと、ラポワント刑事が聞き込み先の居酒屋に寄るたび飲んでる様な描写もあるし、メグレ一家の連中みんな飲みながら仕事に励んでいるよね。

イタリアなんかの警察小説も読んでみたいなあ。もっと飲むシーンが多いような気がする(笑)
(2008.7.3読了)

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

筒涸屋

Author:筒涸屋
札幌市出身・在住
戌年 射手座 B型 
右投右打 右四つ
好きな言葉:小春日和
2008.3.6開設

ブログランキング

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
blogram投票ボタン

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

FC2カウンター

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

月別アーカイブ

リンク

ブログ内検索

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる