清水義範 『惑星の剣闘士』

清水義範 著 『惑星の剣闘士』(双葉文庫/1986年刊) を読む。
惑星の剣闘士
宇宙の辺境、地獄洞。
2年前から辺境開発事業団は労働者を募集して、この地に人工惑星都市を建設しようとしていた。
ラリー・ザイルは、盲目の美少女エメを連れて仇敵を求める旅の果て、ここまで来てしまった。
宇宙の流れ者、食いつめ者たちが蝟集する無法地帯で、連日の苛酷な労働が続くうち、
今度こそは真の復讐の糸口をつかんだ。


前作の『魔界の剣闘士』を読んだのが2009年12月なので、
どんな話だったかあらかた忘れているのだが、
あまり気にせず読み進めてみる。

辺境開発事業団の労働者として、第Ⅳ星区の人工都市建設現場で働いていたラリーは
事業団長官の秘書の命令で、第Ⅳ星区探検隊の隊長に指名される。
で、「緑の惑星」「水の惑星」「砂の惑星」と探検するのだが、
各惑星の雰囲気、どうも過去のSF作品からちょいちょいつまんでる臭いがする。
行く先々で危険な目に遭いながらも生還するタフガイ・ラリー。
いつしか長官秘書(女性、しかも絶世の美女!)と愛し合うのだが、
愛し合う場面は官能小説のように生々しく描写。
このへん、読者サービスおこたりなし。

話は進んで実は長官というのがラリーの仇であることが判明するのだが、
それも束の間、長官はさらに上位の存在に操られているに過ぎないことが分かり
物語は急速に結末へと向かう。
結末は・・・次に続けてもいいし、ここで終わらしてもいいし、みたいな
むにゃむにゃした感じ。
(2011.2.6読了)

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かんべむさし 『黙せし君よ』

かんべむさし著 『黙せし君よ』(双葉文庫/1994年刊) を読む。
黙せし君よ
あの朴訥で寡黙な男、古市が死んだという。
大学中退後、郷里の零細企業に勤めていた古市は、ある雨の日、通勤の為に乗っていた自転車ごと大型トラックの後輪に巻き込まれて死んだのだ。
だが、彼の友情と信頼を裏切った「俺」は大企業に入り、そこそこの幸せを享受している。裏切りを償う相手はもうこの世にいない。
ひとつの時代の終焉。


SFでもない、ユーモア企業小説でもない、かんべむさしの普通小説。しかもシリアス作品。

重いなあ。。。

大学紛争の時代に大学に在籍していた団塊世代の主人公が、40歳過ぎてから当時を振り返る物語。
政治的な信条を持つ持たないに関わらず、どんな学生も当時は紛争に巻き込まれてしまっていたのだねえ。
この時代のことについては、世代が違うとちょっと理解しにくいので、ものすごく客観的にしか読めなかったけど、まあそれぞれにいろいろ思いがあったのだね。
まさに同世代の人が読めばいろいろ感慨があるのだろうが、オレにはただ重苦しい話であった。
(2010.2.17読了)

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清水義範 『魔界の剣闘士』

清水義範著 『魔界の剣闘士』(双葉文庫/1985年刊) を読む。
魔界の剣闘士
遥かなる銀河系の彼方に刻々と拡張し続ける悪の気配があった・・・・・
星から星へと格闘技を見せ物として旅する一団の快男児ラリー・ザイルは、22歳で突如引退するまで無敵のチャンピオンを誇っていた。
6年後の今、エメという盲目の少女を相棒にして、スペース・マンとして星間輸送を商いとしながら、復讐の仇敵を捜し求めて死闘を繰り返す。


子供の時、両親と姉をはじめ、目の前で民族虐殺に遭い、唯一生き残った主人公ラリー・ザイル。
復讐を胸に誓い、だがその復讐の相手が誰なのか分からない為、宇宙輸送屋をしながら仇の情報を求めるラリー。
一本気で正義漢で滅法強いという、この手の話の王道なキャラ(笑)
輸送屋になる前の、格闘ショーの一座で鍛えたという設定はどんな敵が現れても対応できる優れた設定であるなあ。
毒で体に抵抗力をつけるという忍者のような修行をこなしたり、3倍の重力の星で筋力を鍛えたり(ちょっとしたサイヤ人だね)と、かなりの強敵でも出てこない限りは無敵な設定。
でもその強敵が出てきちゃうのだなぁ。いやあ宇宙は広い。
ま、結局は勝つのだが、仇だと思ってた相手が実は操られてたことが分かって終了。
すべては次巻で決着するのか?
(2009.12.7読了)

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横田順彌 『時の幻影館』

横田順彌著 『時の幻影館 秘聞・七幻想探偵譚』(双葉文庫/1992年刊) を読む。
時の幻影館
時は明治も後期、文明開化も進み科学的思想も一般に受け入られつつあった。
しかしいかなる科学をもってしても、解釈のつかぬ怪事件はあるもので・・・
これら難事件に挑戦するは若き科学小説家鵜沢龍岳、冒険小説好きなおてんば娘黒岩時子、雑誌〈冒険世界〉主筆の押川春浪。
人知を超えたミステリーは解明できるのか?


先日読んだ『惜別の宴』と同様、鵜沢龍岳が活躍するシリーズ。連作短篇集の形式で、シリーズの第一弾なのが本書。第一話において龍岳と時子が初対面をはたす。
各話ごとに発生する事件が、一般的な常識では解釈不可能なため、科学小説家の龍岳がSF的解釈で事件を推理する浪漫あふれる作品集だ。
この龍岳という人物、佐賀県の産で法政大学卒と、著者自身が色濃く投影されていて、著者も描いてて楽しいシリーズだろうね。しっかりと別嬪のヒロインに好かれている設定にしてるし。

明治19年に消息を断った巡洋艦・畝傍が明治43年に現れた『霧』、御岳山に宇宙船が不時着していた?という『馬』、パラレルワールド物の『夢』といったところが面白かった。
運動会などの応援の時に言う「フレー、フレー」っていうのは「奮え、奮え」という言葉だったって知ってた?
(2009.3.23読了)

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清水義範 『高野山黄金伝説』

清水義範著 『高野山黄金伝説』(双葉文庫/1988年刊) を読む。
高野山黄金伝説
高野山に秀吉の隠し金がある―菅沼英治は、有人が旅先で耳にしたこのひとことをきっかけに、14年間勤めていた会社を辞めた。
秀吉の埋蔵金と謎の僧・木食上人、そして今に残る空海伝説。3人の仲間と調査を続ける菅沼の前に、歴史の裏にひそむ驚くべき真実が明かされようとしていた。高野山に向かった彼らが見たものは・・・?


今回読んだ作品は、著者の師匠・半村良師の得意ワザの現代伝奇。主人公がエッチする場面は荒巻氏のテイストも。
半村師と比べると正直物足りない。だがまあ、現代の戯作者と云われた師匠の語り口と、この作品の頃(単行本は1985年刊)の若き清水氏を比べるのは酷であろうね。
空海にまつわる歴史ウンチクは面白かったしタメになった。こういう、学生のときに習わない歴史を学べるのがこのジャンルの醍醐味なのだよね。
(2008.8.4読了)

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清水義範 『超・怪盗入門』

清水義範著 『超・怪盗入門』(双葉文庫/1989年刊) を読む。
超・怪盗入門
高校時代のくされ縁がまだ続いている雑賀鉄平と福永潤一、ともに24歳・独身サラリーマン。
血の気の多い鉄平は上司を殴ってクビになり、潤一は思い焦がれた女性にあっさりフラれ、うさ晴らしの温泉旅行。
二人の洩らす溜息は「あーあ金が欲しい」はてさて一攫千金を夢見る二人にニッコリ笑いかけてきた謎の美女、これが超・怪盗のスカウトと知る由もなく・・・


青春犯罪ユーモア小説。
短気で情熱家で楽天的な雑賀鉄平と、考え深くて繊細だが悲観的なところがある福永潤一のコンビネーションがよい。類型的な人物造型なのであるが、実際現実の人間はこの二人の性格をあわせ持っている部分があると思うので、どちらにも感情移入できる。
二人の会話も楽しめるのだが、一人ずつの時の描写も、それぞれの個性が描き分けられているので非常に楽しい。
ストーリーの要素としては、政治がらみの犯罪に巻き込まれるという、かなり“大人”な話なのであるが、メインテーマは“青春”“ユーモア”であるため、とてもリラックスして読めるというお得な作品。
(2008.7.15読了)

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プロフィール

筒涸屋

Author:筒涸屋
札幌市出身・在住
戌年 射手座 B型 
右投右打 右四つ
好きな言葉:小春日和
2008.3.6開設

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