2012/01/25 (Wed) 17:56
五味康祐 著 『続 色の道教えます』(徳間文庫/1990年刊) を読む。
裏店の先生月瀬右馬丞、実は老中の密命で浪人に身をやつし、諸大名・旗本の動静を探る、歴とした松平家の次男坊・松平豊三郎。
その先生がある日、お衿と五郎太に、老中の書簡を携えた無刻飛脚として、将軍家献上の御茶壺の道中奉行石尾阿波守に喧嘩を売れと命じた。斬首覚悟、なぜ先生は?
市井には石尾阿波守、奥女中を相手の淫靡な嗜癖ありとの噂が流れていた――(「壺泣かせ」)
色道に武士道を見る痛快時代小説。
性にまつわる話題を集めた連作短篇集。
一応、松平豊三郎が主人公として登場するのだが、エピソードによっては豊三郎がまったく出てこない話もある。
各篇とも非常に短く、とても読みやすいのだが、あまりに短すぎて結局わけが解らないというような話もあった。
「早乗り」というエピソードでは、大聖寺藩の“別式女”という、女性の武芸指南役の紹介をし、その別式女と藩士が道場にて立合いしてる所を目撃した松平豊三郎によって、大聖寺藩二百三十有余年の治世を通じて、唯一の疑獄事件が明るみに出る―― 何がなんだか解らなかった。
「壺泣かせ」という話は、旗本の間で流行った遊びにまつわるものだが、まあ、この遊びがエゲツない。
湯文字ひとつで四つ這いになり、前後左右に腰を振り動かす女を、後方から狙って槍で突くのだ。
「猫ぐるま」という話は、大垣藩を浪人した原田久右衛門夫妻の仲睦まじさを紹介した話。
なのだが、最後に猫ぐるまによって、奥方が絶叫するという・・・
猫ぐるまとは、あの、工事現場なんかでよく見かける一輪車のことです。
どういう体位かは分かるでしょ?
そのほか、人情話、滑稽話、剣術譚等々、バラエティに富んだ短篇集であった。
(2012.1.21読了)

テーマ:歴史・時代小説ジャンル : 本・雑誌














